
海野由佳|Yuka Umino
How to reborn
May 31 – June 12,2022
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは5月31日より6月12日まで海野由佳の個展「How to be reborn」を開催します。
本展は身体とそれに付随する人格や、人の存在の不安定さをテーマに絵画を制作している海野由佳の東京初個展です。自らの意思とは関係なく与えられ身体の不自由さを感じつつも、そこに確かに存在する欲望の美しさや希望を強く描ききる逸品揃いです。
自分の身体でありながら、選択権を与えられなかったこの身体を持ってしか存在できないことの違和感が、私の作品制作のベースにあります。
私たちは生き続けたければこの身体を持っている必要がありますが、それなのにこの身体において何の選択権も与えられませんでした。
私たちは身体に対して、その性別や容姿や機能、境遇、場所、タイミングにおいても一切の選択権を与えられず誕生します。
それでも存在するためにはこの身体を大切に守りながらメンテナンスし、乳幼児の不自由な身体から年老いて動けなくなるまでコントロールし続けなければなりません。
一切の選択権が与えられなかったこの身体によって、大きな制約を受けざるを得ずに存在することに伴うこの理不尽さと、身体があること自体に対する違和感は変えることが出来ません。
しかし、選択権の与えられなかった身体を持ちながらも、私たちの人格は変化することが可能です。
自身の在り方を望むままにコントロールしたい、身体を持ちながら変わりたいという願いは人の普遍的な欲望のように思えます。
それは選択できなかった身体を持ちながら、生まれ変わる選択をする手段でもあり、私たちが自らの存在を選択できることへの希望でもあるからです。
私は人物を描く上で、これまで身体の境界線が曖昧になる風景を描いてきました。
それは他者との接触で身体の境界線が曖昧になる様子であったり、身体から感覚が外に及ぶ様子です。
存在の在り方は物質的な身体の境界線では表現し切れず、存在をコントロールすることへの欲望によって絶えず変容し続ける不安定なものだと感じます。
生きながら生まれ変わる方法を模索するように、人格を変化させて身体を所有することの理不尽さに抵抗し続ける営みは美しく思えます。
それは欲望を叶える方法であり、生きることへの希望の基礎です。
絵画作品として身体を描きその美しさを提示することが、私が作品を通して希望を示す方法だと考えています。
選べなかった身体を持って生きることの違和感を認めた上で、それでも生まれ変わることを選択する方法として不安定に揺らぐ存在の範囲を描くことで、絵画によって人の存在、欲望の美しさや希望を提示したいと願っています。
海野由佳
海野由佳の今後の活躍を示唆する作品をラインアップしています。
東京でまとまった作品を見る初の機会です。
是非、海野由佳の世界観をご堪能ください。

海野由佳|Yuka Umino
体とそれに付随する人格や、人の存在の不安定さをテーマに絵画を制作しています。
人体の範囲を曖昧に描くことで、物理的な形とは別に日々変化する人格や存在自体の姿を捉え直し、その営みの美しさを作品にすることで体を持って生きることへの希望を生み出せるようにと願っています。絵画表現としては色味や筆触によって肉感や温度感を表現することを目指しています。
プロフィール
1989 愛知県 出身、京都府 在住
個展
2019 Birthday / 創治朗 ( 兵庫 )
2017 理想的なものの基礎的な展開 / 創治朗 ( 兵庫 ) アートフェア
2020 ARTIST’S FAIR KYOTO 2020 / 京都文化博物館 別館 ( 京都 )
2019 ART OSAKA 2019 / 創治朗・HOTEL GRANVIA OSAKA ( 大阪 )
2018 神戸アートマルシェ2018 / 創治朗・神戸メリケンパークオリエンタルホテル ( 神戸 )
2017 神戸アートマルシェ2017 / 創治朗・神戸メリケンパークオリエンタルホテル ( 神戸 )
2017 ART OSAKA 2017 / 創治朗・HOTEL GRANVIA OSAKA ( 大阪 )
グループ展
2021 UNKNOWN ASIA 2021 / GRAND FROT OSAKA ( 大阪 )
2019 関西ワンピース倶楽部 はじめてかもしれない vol.9 / TEZUKAYAMA GALLERY ( 大阪 )
2018 Young Creators Award 2018 MIギャラリー賞、ホルベイン賞 受賞 / MI gallery ( 大阪 )