美波

髙橋健太|Kenta Takahashi

FILTER 1MG

July 9 – July 19, 2021

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

 

MEDEL GALLERY SHU では、7 月 9 日(金)より、髙橋健太 個展 ”FILTER 1MG(フィルター1 ミリグラム)”を開催します。

本展は、髙橋健太の約 20 点の新作絵画作品により、日本画の伝統的な素材と現代的な視覚要素を加味し、革新的な絵画手法を十分に楽しめる展示会となります。

日本的なミニマリズムをモダンに昇華させた福田平八郎の絵画に影響を受けた高橋健太は、日本画材となる和紙や岩絵の具を主要な素材にして、日本画 の伝統となるミニマリズムの精髄を究め、さらには、常にアカデミズムの思考を突破しようともしています。高橋の考えでは、日本の文化となる「ミニマリズム」とは、簡潔なる筆触で「らしさ」を捉えつつ、描写していない部分に想像の余地 が生まれる思考であり、幼少期に慣れ親しんだレゴや解像度の低いゲーム機 のモニターの表現が琳派的な表現方法やミニマリズムに通じると感じていま す。さらに思想の面だけではなく、日本画の技法材料も現代人の我々が毎日目にするデジタルイメージとの親和性が非常に高いと考えています。自 分の人生が、レゴや携帯ゲームなどのラスタイメージ (色のついたドットと呼ば れる点の羅列、集合として表現するデータ方式。ビットマップ画像)、つまりは解 像度の進化と共にあったと考え、イメージは粒子の集積によってできるという感覚が以前から心底に残されています。岩絵の具による表現がノスタルジア的な感覚を触発し、その伝統の優美さと革新性を本展により表現します。

今回の展示コンセプトは、作家の生活体験から生まれてきたテーマです。高橋は、自分の創作を、“自身の体験や記憶を美術のレイヤーに乗せて上書き保存するような行為、日記・メモのような役割がある”と考えています。身体という濾過装置を通し、日々感じる感情や情報が創作行為で表現されています。情報氾濫な現代社会において、人々は常に大量な情報を捉え、その取捨選択が常 に迫られています。コロナにより、さらに現物を観察する経験から離れて、モニ ターに映し出されたピクセルの集積を眺める時間が多くなりました。髙橋はその現状を作品に投影しようとしています。 “網膜から取り入れた粒子が感情や思考と混ざり合い、もう一度僕の身体を通して支持体に粒子を表出させるのですが、ミニマルにしようとする思考のせいか絵になった時点で僕自身の感情などはかなり削ぎ落とされています。ぺイントソフトの丸ブラシのような線は無機的な形が出力しやすいですが、フリーハンドで描くのは難しく、デジタルとアナログの狭間のような性質を持つ彼の手法は独自なるものです。また、日本画はとてもアナログな技法材料ですが、イメージの反復やラスタ形式といったデジタル的な扱いをするため、シルクスクリーン技法も併用するようになりました。

伝統を愛しつつ、ノスタルジアで視覚要素を革命的な手法で創出していく新進気鋭のアーティストの高橋健太。独自なる技法と世界観を表現し、自らのフィルターで削ぎ落とされた視覚表現に挑戦する本展を是非をお楽しみください。

髙橋健太|Kenta Takahashi FILTER 1MG July 9 – July 19,2021

髙橋健太|Kenta Takahashi

 

プロフィール
1996年生まれ 愛知県出身

2017 東京芸術大学絵画科日本画専攻 入学   
2021 東京芸術大学絵画科日本画専攻 卒業
現在 東京芸術大学大学院美術研究科版画専攻一年

主な展示歴
2018 芸大アーツイン丸の内
A-TOM ART AWARD 2018
2019 個展『SAVE NOW』
2020 ArtSummit 特別展 SHIGERU AOI ART COLLECTION
グループ展『MIND the GAP』
2021 令和2年度 東京芸術大学 卒業・修了作品展
グループ展『rabbit hole peeps』

主な受賞歴
A-TOM ART AWARD 2018 グランプリ
東京芸術大学 安宅賞