美波

Rough Play

岡田佑里奈|川端健太|清川漠

February 22 – March 6, 2022

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

この度、MEDEL GALLERY SHUは2月22日から3月6日の会期にて岡田佑里奈、川端健太、清川漠、の3名のアーティストによるグループ展「Rough Play」を開催致します。

タイトルにある「Rough」は「粗さ」「ざらざらとした質感」を意味する語句ですが、本展においてはこれを時代に対する感性のアレゴリーとして捉え、かつこの度の展覧会に参加するアーティストの作品と活動を一つの群として捉えるための視点として読み換え、考えてみたいと思います。

また本展のコンセプトメイクに携わったアーティストの川端健太は、以下のような言葉を寄せています。

ここ最近、私は利便性と表裏一体で存在する直接性の欠落した様々な隔たりを注視するようになった。新型コロナウイルスの影響でオンラインで対面する機会が加速度的に増加した一方で、 あらゆるコミュニケーションの間で直接性の削がれた限定的な感覚体験が増えた。パソコンの画面に胸から上が映った映像だけではその人の身長や、仕草や立ち振る舞いが見えない。現代では克明に対象が見えているようでそこに実態がない事が多い。多層的な隔たりにより直接触れたり見たりする体験が希薄した感覚を意識しながら制作を行っている。

私たちの時代や社会を特徴付ける要素のうち、その一つは間違いなくネットカルチャーの台頭であり、敷衍して言うのであれば、新しいコミュニケーションの形態が生まれ、定着しつつある点でしょう。今日の私たちが互いに交流する際、そこでは必ずしも身体的な接触は伴わず、その多くは液晶画面と電子信号を介して行われます。それどころかSNSやネットゲームなどバーチャルな場所ではアバターとして氏素性を隠し、あるいは誰かの解釈を挟んだニュースに晒されるなど、私たちは常に実体もしくは「本当の部分」を覆い隠しながらコミュニケーションを重ね、情報を取得します。

本展では普段は意識することがない、社会や他人との関わり方について間接性や重層性というキーワードを通して考えることを目的にします。そうしたノイズを伴ったコミュニケートを今日的な意味でのリアリティ、時代の手触りや質感と読み換えながら、今回の参加アーティストの作品に見られる画面の反射、特有のテクスチャーといった、「像をとらえる」ことに対する独特なアルゴリズムを持った鑑賞体験を通し、共有していきます。

アーティストを通して垣間見える、私たちの時代に関する一つの考察を、是非ともギャラリーでご高覧頂けたら幸いです

岡田佑里奈 | Yurina Okada

岡田佑里奈の作品は絵画、そして写真の領域を横断しながら次世代にあるべき平面作品の可能性について問いを投げかけます。

草花や同世代の女性を被写体にした写真を転写の技法によって平面化し、そこに現れたクラックに塗料を流し込むというプロセスを経過する彼女の作品は、写真と絵画の双方の工程を含みながらも、しかしそのどちらにも傾かず、それらはむしろ物体の強度と精緻さを手仕事によって丹念に突き詰めるという、どこか工芸的な性格を伴いながら新しい領域を示唆しています。

その固有のマチエールはロシア・アバンギャルドの作家らのような、表面効果への工夫を思い起こさせる一方、岡田が作品について「全ては朽ちていく、という考えがある」と話しているように、そこには岡倉天心が茶湯文化に指摘した「不完全性の美」のような茶湯的、日本的な美学にも通ずる精神があると言えるでしょう。

プロフィール

1995年兵庫県出身。

2020年京都造形芸術大学大学院芸術専攻ペインティング領域を修了。

主な個展に「Walk in a dream」(ARTDYNE, 2021, 東京)が、主なグループ展に「Up_01」(銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM, 2021, 東京)、「Collectors’ Collective vol.4 Osaka」 (TEZUKAYAMA GALLERY, 2021, 大阪)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021」(京都文化博物館別館 他, 2021, 京都)、「exhibition I」(biscuit gallery, 2021, 東京)、「It’s gonna be AWESOME!」(YOD Editions, 2021, 大阪)、「SHIBUYA STYLE VOL.14」(西武渋谷店, 2020, 東京)などがあり、また主な受賞歴に「The Art of Color DIOR 2019」(入選, フランス)、「ART AWARD MARUNOUCHI 2018」(後藤繁雄賞,)、「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD#7」(後藤繁雄賞)がある。

川端健太

プロフィール

2015年、東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。

2019年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻を首席卒業。

2019年、東京芸術大学美術研究科油画技法材料研究室入学。

2022年に同大学大学院修了予定。

これまでの主なグループ展として「KUMAEX2021 清澄白河」(2021, 東京)、 「絵画の筑波賞展 池袋西武本店アートギャリー」(2021, 東京)、また主な個展として「Spectrum」 (2021, 金澤水銀窟, 石川県)がある。主な受賞に「絵画の筑波賞 奨励賞受賞」(2021)、「クマ財団活動支援事業」(2021)があり、また作品は東京芸術大学美術館やLS 株式会社にコレクションされている。

清川漠 | Baku Kiyokawa

プロフィール

1996年東京都出身。

2020年女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻を卒業。

主な個展に「清川漠展」(日本橋三越本店美術サロン, 2021, 東京)、「空々漠漠」(cocoto, 2021, 京都)、「withdrawal」(亀戸アートセンター, 2021, 東京)が、主なグループ展に「奈落で水を飲む」(KATA, 2021, 東京)、「biscuit gallery Opening Exhibition」(biscuit gallery, 2021, 東京)、「 線と_ 」(Artas Gallery, 2021, 福岡)、「CAF賞2020」(代官山ヒルサイドフォーラム, 2020, 東京)、「SICF21」(スパイラル, 2020, 東京)などがあり、また主な受賞歴として「CAF賞2020」(入選)、「SICF21」(田中景子賞受賞)がある。