
ニニフニ(而ニ不二)
市川慧󠄁・東春予・masiki・宮野かおり
キュレーション:飯島モトハ
April 25〜May 7, 2023
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは、4月25日より5月7日まで、 飯島モトハのキュレーションによるグループ展「ニニフニ(而ニ不二)」を開催いたします。
参加アーティストは、市川慧󠄁・東春予・masiki・宮野かおり、それぞれに活躍する個性的な顔ぶれの4名です
「而ニ不二」は、「而二」と「不二」の二つの言葉からなる仏教用語です。
・「而二」は、一つのものを二つの側面から見ること。
・「不二」は、二つの面の本質は「一」であること。
美術においてマンガ的なキャラクター表現は既に一般的になり、美術史にも既に組み込まれています。しかし、美術の文脈に組み込まれているのは主に少年マンガ的なキャラクター表現であり、少女マンガ的な要素の濃いキャラクターは未だに「イラスト」扱いをされることが多く「絵画」の範疇に含まれないことが多いのが現状です。
同じマンガ表現を出発点にしていても、画風が違う、対象が違うだけで扱われ方も違ってしまう。
ある女性お笑い芸人が言っていました「男の芸人は全員に通じると思ってドラゴンボールや刃牙で例えてくる、こっちもマーマレードボーイで例えてやろうか」男性は無自覚に少年マンガをメジャーなものとしてとらえ、少女マンガを「劣っている」とは言いませんが、マイナーなものとして扱っています。ですが実際はメジャー・マイナーではなく分類が異なっているだけです。
少女マンガに多大な影響を受けたはずの人々は子供の頃に受けた感動や衝撃を「子供の頃だけ楽しんだ卒業すべきもの」として蓋をして振り返らない作家も少なくありません。本当にそれでいいのでしょうか?感動と共に血脈に染み込んだ表現を恥として捨て去って構わないのでしょうか?否、断じて否!
本展は少女マンガと少年マンガ、表裏一体であるはずなのに美術において顧みられなかった「少女マンガ」文化の復権を目指し、美術文脈への接続を試みる展覧会です。
飯島モトハ
アートコレクター・インフルエンサー・バズり王としても名高い飯島モトハによる「美術におけるキャラクター表現・少女マンガへの独自の視点と愛に溢れるキュレーション」による4名のアーティストの新作をお楽しみください。

市川慧󠄁|Kei Ichikawa
画面の中に西洋絵画の奥行きのある写実的技法と日本の絵画表現における超平面的な表現を共存させたリミックス絵画やモチーフを反復させることで時間の経過を表現するネオ未来派など研究・試作中。
次元の違う世界の交錯する空間を背景に独自のキャラクター達を配置し、現実と虚構が入り混じる世界観を表現しています。
混沌とした現代社会の中に存在するどこか欠落したものを抱えて生きる人々の象徴のような背広姿のAKIOと二次元で描く魔法少女達。彼らは人生の中で出会う喜悲劇を演じる戯曲の登場人物のような存在です。
キャンバスという舞台の上で、映画監督のように彼らを演出するような感覚で制作しています。AKIOや魔法少女といったキャラクターについての解釈は鑑賞者に委ねて自由に鑑賞して欲しいと思っています。
プロフィール
2022年3月 都立総合芸術高等学校卒業、
2022年4月 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
2023年2月 グループ展ROOM206展 アーツ千代田3331

東春予|Haruyo Higashi
漫画の1コマあるいは1ページを一枚の絵画として制作する、という形態で作品を制作している。
漫画のコマはその中の時間、ある一瞬をそれそのものとして保護する装置である。仮に、紙媒体の漫画からある一コマを切り抜いて壁に貼れば、それはストーリーの構成物という位置付けから抜け出して、単なる絵、それそのものになる。過去も未来もないある一点として、そのコマの中の時間は永遠に保たれ、過去・現在・未来の時間軸から解放される。連ねられた全ての現在がそれそのものとして同列に保護される。連なりながらもストーリーにされるのを抗う瞬間、個々が個々の為だけにある瞬間、その連続として初めて成り立つ時間の経ち方を、漫画の表現形式を用いて提示している。
プロフィール
1995年生まれ。
2018年京都造形芸術大学卒業。
千葉を拠点に活動している。
個展『実験漫画(コミックは
ミュージックのように vol.1〜6)』
公募展『Hidden talent art awards 』ファイナリスト選出(ロンドン)
グループ展『A4WALL Taipei』(台北)などがある。

Masiki|マシキ
大学で金属造形を学び、修了後に七宝焼製造会社で働きながら個人での制作活動を始める。現在独立。
有線七宝(ユウセンシッポウ)という伝統工芸技法で、流動的なポップカルチャーをモチーフに制作をおこなっている。
プロフィール
1994 熊本県生まれ
2019 広島市立大学芸術学研究科修士課程 修了
2020 デザインフェスタvol.52(東京)
2021
デザインフェスタvol.53(東京)
個展「Binetsu」新宿眼科画廊(東京)
「Shirokane November」Art Gallery Shirokane 6c (東京)
2022
「ドローイング展ゆきどけ」新宿眼科画廊( 東京)
「ドローイング展ゆうだち」新宿眼科画廊(東京)
個展「ぷれいらんど」でことらんど(東京)
「petite展1」Art Gallery Shirokane 6c (東京)
2023 「A4 WALL」松屋銀座(東京)

宮野かおり|Kaori Miyano
幼い頃から親しんできた「りぼん・ちゃお・なかよし」などの少女マンガを由来とした世界観で絵画を描く。少女マンガがもつ、キラキラで華やかで豊かな感情・情景表現と現代美術の思考をミックスさせることで、少女マンガの中の歳を取らない少女たちと時間の中に生きる自分との距離について表現している。かつて少女マンガの登場人物に憧れてシンクロしていた自分の少女時代はとうに過ぎ、これからもその距離はどんどん開いていく。絵画の中の彼女たちとどう共存してゆくのか考えることは、人間がどのように「老い」ていくのかを考えることとつながっていくだろう。
プロフィール
1990年 東京都出身、埼玉県・福島県育ち
1990年 東京都出身、埼玉県・福島県育ち
2020年 東京芸術大学美術研究科絵画専攻修士課程修了
2021年 ゲンロン新芸術校第6期修了
[主な個展]
2021年10月 「シスター」ストロベリー・スーパーソニック(東京・高円寺)
2022年3月 「ポリリズミックド・スイミング」LIGHTHOUSE GALLERY(東京・両国)
[直近の主なグループ展]
2022年3月 「Calendar-かわいい・おいしい・たのしい♡-」新宿眼科画廊スペースE(東京・新宿)
2022年4月 「桃会~peach – kai~「ZINE1号できたよ!」BLANK(東京・高円寺)/主催
2022年6月 「ゆきどけ」/新宿眼科画廊スペースM(東京・新宿)
2022年11月 「A4 WALL Taipei」A4 GALLERY 台北流行音楽中心(台湾・台北)
2023年1月 「A4 WALL MATSUYA GINZA」松屋銀座(東京・銀座)
2023年3月 「ようこそ、エターナル・トラベラー☆彡 ~永遠のなつかしい旅~」Shirokane 6c (東京・白金)/主催

キュレーション
飯島モトハ
米国International Center of Photographyで写真を学ぶ。
アンセル・アダムスの孫弟子としてモノクロ写真表現を修め、帰国後はデジタル表現、平面表現、現代美術としての写真に向き合う。
「ぬいぐるむ」「フィジカルボディ・コンプレックス」「無礼らか?」などでキュレーションを担当。「超えてゆく風景」「うたかたと瓦礫デブリ」「 Red Bull Music Academy Art」などにコレクション貸し出し。アートコレクター・スイーツ愛好家として月刊アートコレクターズなどで連載中。
プロフィール
展覧会
2017 「コレクション展「綺麗なドレス」」TAV gallery
2017 「阿佐ヶ谷アンデパンダン」阿佐ヶ谷駅周辺
2017 「デカい牛のデカい内臓」新宿眼科画廊
2017 「新橋映像祭」
2018 「SUMIDA ART BOOK MARKET」spiid
2018 「飯島モトハルv.s.藤城嘘 企画展『無礼らか?』」TATARABA
2018 「NEURO HOP」中央本線画廊(企画参加)
2018 「がんか食堂 地獄のスイーツ」新宿眼科画廊
2018 「超えてゆく風景」ワタリウム美術館 - コレクション貸し出し
2019 富士山展
2019 画廊新聞 – 平成 – 展
2019 BHVR
2019 ぬいぐるむ!新宿眼科画廊
2019 東京インディペンデント 2019
2019 kitchen
2019 芸術動画ヤミ市
2019 フィジカルボディ・コンプレックス 新宿眼科画廊
2020 ぬいぐるむ2020 新宿眼科画廊
2020 SUPER-NORMAL 「SUPER-NORMAL?」Gallery OUT of PLACE TOKIO
2021 うたかたと瓦礫デブリ 京都市京セラ美術館 -CL貸し出し-
2021 Familiae Sylvanian Art Lab TOKYO / AKIBA
2021 ポリネーター 梅津庸一展 – ワタリウム美術館 -CL貸し出し-
2022 ポリリズミックド・スイミング LIGHTHOUSE GALLERY 宮野かおり -CL貸し出し-
受賞歴
2011 EMON PHOTOGALLERY Portfolio Review 審査員特別賞
2012 「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2012 入選」
2012 御苗場 vol.10 レビュアー賞 ノミネート
2012 TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2012 入選
2013 「SHAKE ART!コンペティション」優秀賞
2013 「トーキョー・アート・ナビゲーション・コンペティション」 入選
2013 「EMON AWARD 2013」 審査員特別賞
2014 「ACTアート大賞展・写真部門 2014」信濃町 東京