
相川恵子|Keiko Aikawa
顔のなかの顔
June 28〜July 10,2022
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは6月28日から7月10日まで、相川恵子の東京での初個展を開催します。
相川は「人の内面のネガティブな根に対する愛情」に注目し、目のない歪んだ表情の顔を描いています。目を描かないことで匿名性が際立つことはもちろんのこと、鑑賞者の想像力を掻き立てるためにこのような手法を用いています。そして、顔のどこか一部分の絵具を削りとった独特の歪みこそが作品のアイコンとなり、抑えた色調とあいまって相川の作品であることを雄弁に語ります。
————————————————————————————————–
あなたはわたしをなにも知らない
わたしはあなたをなにも知らない
描いてきたたくさんの顔を見て、
「この生き物たちとは分かり合えない」
漠然とそう思った。
数年前はもっと人間らしい人間を描いていた。
ここ最近になり全く意思疎通のできなそうな生き物を描くようになった。
私は絵を描く前も描いているときも描いている時も無の状態だ。
完成後、冷静になって絵を見つめ「なんだこれは」と思うこともよくある。
見えているのはたった一部であり、見えていない側面が必ずある
完全に理解することはできないし、分かり合えることもない
そして絶対に見えない部分がある
顔のなかの顔の存在を探し始めてみることにした。
捉えきれないその顔を私は描けるだろうか。
ここ最近引っ越しをして、新しいアトリエを構えた。
前よりも広いスペースである。
まだ慣れない環境ではあるが、過去の作品たちを並べるとホームのような感じがした。
近頃は小作品が多かったが、久々に大きいキャンバスと向かい合った。
本展では、その新しいアトリエで描いた新作も展示する。
相川恵子
————————————————————————————————–
相川は「自分自身が絵という存在に救われたように、私の作品が誰かの救いになれたら・・・」とも語っています。
歪みのある表情の中にみる深い愛情を作品から感じてください。

相川恵子|Keiko Aikawa
私は物心ついた頃から人の顔を描いてきました。
その頃から日常にある意味のない不規則な模様を顔として見る癖がありました。
部屋のシミや木目などから自分なりの顔のかたちを想像するのが好きでした。
その顔のかたちは同じ場所でも不思議と日々違うものに見えていました。
そのような経験から歪んだ顔を描く事がキャンバスに反映されているような気がします。
油絵具は乾くのが遅いので、柔らかい状態でキャンバス上で混ぜ合わせることができます。
無造作な筆のタッチや偶然生まれた線がどこか顔に見える。
視線を彷徨わせながら顔を見つけ、すぐにかたちを追わないと見失うこともあります。
一つの顔を描きながら、他にも顔を探している。
顔の中にもまだ顔があるのではないかと思っています。
絵は言葉ではうまく伝えられないと思います。
絵の質感からしか共有できないイメージが存在すると思います。
言葉で言い表すことができないから私は絵を描く。
プロフィール
2012年 長岡造形大学視覚デザイン学科ビジュアルアートコース卒
2014年初個展、以降新潟市のギャラリーにて定期的に個展を開催。
その他東京、新潟にてグループ展などに多数出展。新潟市在住。
近年の主な展示
2019 「EPIC PAINTERS Vol.6」(The blank GALLERY) グループ展
2021 「かりそめのまとまり」(楓画廊・新潟市) 個展
2022 「Stories 5 つのものがたりⅡ」(楓画廊・新潟市) グループ展
「EPIC PAINTERS Vol.10 -PORTRAITS-」(THE blank GALLERY) グループ展
「EYES_portrait show by Emerging Artist」(MEDEL GALLERY SHU) グル
ープ展
「Artist! X Artist! X Artist!GINZA ART FESTA」(松屋銀座)グループ展
掲載
2019 新潟日報 にいがたの気鋭 取材掲載
2022 メンズファッション誌 2n d「THE VISUAL PERFORMER」インタビュー掲載