Artist Interview: Jonathan Hadipranata

Jonathan Hadipranata

JONATHAN HADIPRANATA

“Hide Under The Table”

April 1 – 11, 2021 

インドネシアの新進気鋭のアーティスト、ジョナサン・ハディプラナタ。彼自身の初個展に東京を選び、アジアからグローバルに展開していく。その作品はストレートにわかりやすく、誰もが可愛いと感じる。

今後の活躍を期待する作家の思いを探るインタビュー。

Statement: 1/9

作品には象徴的なイメージが登場しますね。少年少女、テープがそれにあたりますが、まずはあなたの絵画について教えてもらえますか?

私の絵は抑圧されている状態の反映なんです。私たちはとても社会的な存在だし、私たち自身も社会を必要としています。ただ、同時に社会を恐れることもある。自分の存在や存在感、他人の目にどう映るかを常に気にしていますよね。人生の中で、誰しもが自分の個性を犠牲にして社会に適応しなければならない時期があると思います。私の絵は、そうした社会の中のアンビバレントな状態を描くものだと思います。

Jonathan Hadipranata

Statement: 2/9

抑圧的な状態を描くとして、作品をどういうものとして受け止めるべきなんでしょう? 一つの反抗のあり方を示すものか、もしくは人びとの社会的な状態を理解するためのものか。

私の絵は、どちらかと言えば行動を促すのではなく、むしろ何かを思い出させてくれるものでありたいと思いますね。誰かがそのような状況に置かれた時、つまり自分を押し殺さざるを得ない状況に置かれた時、その恐怖のせいで自分自身を表現できなかった瞬間にどんな気持ちを感じたかを思い出し、その気持ちを受け入れ、そこから学ぶこと。だから私の絵を見た人たちには何か行動を起こしてほしいというより、むしろポジティブに、そしてそれぞれの感情や経験に合わせて共感してもらいたい。

Statement: 3/9

子供の存在は重要ですか?作品にはよく子供が登場しますが、ある種の記号もしくは象徴ですか?

無邪気な自己の反映です。私には2歳になる甥っ子がいますが、無邪気に遊んでいる姿からインスピレーションを受けることはありますね。子供の頃は嘘をつかず、ただ自分自身でいるものですけど、そのあり方は私の作品にとって非常に意義があるものです。

Jonathan Hadipranata

Statement: 4/9

レンブラントから多くを学ばれたとか。一方では日本のアニメや漫画といったカルチャーも感じます。

レンブラントはとても重要な存在です。自分が作品をつくる上で基礎となるだけでなく、勉強したり見たりするだけで、得られる知識はたくさんあります。美術の基礎教育として参照される技術的な面、当時の生活や文化をリアルに描写している点などです。他にもオランダの黄金時代に属している作品も好きですね。

絵画や美術に関心を持ち始める前はアニメーションに夢中でした。美術を深く学ぼうと思ったのは古典絵画に負うところが大きいですが、ただ美術そのものへの気持ちを駆り立てたのは漫画やアニメです。他にもイラストレーター、グラフィックデザイナー、建築家など、ファインアートのペインターに限らず影響を受けているとは思います。

Statement: 5/9

その中でも表現の手段として絵画を選んだ理由は? 例えばアジアのアーティストの中には、特に社会的な題材を選ぶアーティストがそうですが、映像や写真を選ぶ人たちもいます。

個人的な感覚かもしれないですね。自分の手を直に使って描く方が、少なくとも私にとっては何を表現するには都合がよかった。自分の考えていることを外に出しやすかったんです。

それに私の作品は感情とストーリーテリングがベースになっています。その類の表現には、というより、やはり私自身にとって絵画が合っていたのかもしれません。

Jonathan Hadipranata

Statement: 6/9

絵画についてどう考えていますか? 絵画が特別でなくなって以降、アーティストは現代における絵画の意味やあり方を模索していると思いますが、あなたは絵をイメージとしてか、あるいは物としてか、どのどちらとして捉えていますか?

その両方でしょうね。イメージとしても見ているし、一つのオブジェクトとしても見ている。ペインティングは、空間に存在する一つのオブジェクトに入れられたコンセプトであり、そのコンセプト自体が空間に存在するビジュアルであると言えます。抑制された空間に物理的に存在しながら、その視覚的な空間に私たちを出現させることができますから。

Statement: 7/9

お話を聞いていると自分の身体感覚、経験と作品の距離が近いようですね。

私の場合はそうですね。今回の展示タイトル「Hide Under The Table」は作品のタイトルでもありますけど、同時に私自身の経験を反映したものですし、作品それ自体も同様に自分自身の人生から得たものの多くが元になっています。

私はインドネシアの生まれですけど、17歳の時にはシアトルの郊外に留学したんですね。そうした異文化の中に身を置いていたこと、アルバイトやフルタイムの仕事をして様々な人に出会ったこと、様々な状況に翻弄されたこと、その全部が私の絵画に繋がっている。だから本当に自分の人生経験の積み重ねです。

Jonathan Hadipranata

Statement: 8/9

作品が個人的になることに否定的な考えはありませんか?

むしろ自分を見つめること、自分の弱さや資質をよく理解することが重要だと感じますね。本当の自分として社会に向き合うきっかけが大事なんだと思います。社会の中では、時々、自分ではない誰かが自分自身の特徴を決めることがあります。それに異を唱えられないことも。だからこそ、自分を知ることは大切なんです。

Statement: 9/9

今回は初めての個展だそうですね。どのような展示をつくる予定ですか?

展示の機会を頂けたのは本当に運が良かったと思います。先ほども少し触れましたが、展示のタイトルは私自身の経験に基づいたものです。すごく落ち込んでいる時期で、ある意味では私が求めていた保護、あるいは安全地帯のようなものを言い表しているのかもしれないです。

今回、空間に作品を置いてみることで試してみたいのは、ある種の感情を探ることです。社会に対して抱いている恐怖、あるいは他者の目を気にして隠してしまう自分だけが知っている自分自身の姿、言うならば本当の自分を隠すことで生まれる感情について考えてみたいんです。

Jonathan Hadipranata

インタビュアー:奥岡新造(2021.3.31)

Jonathan Hadipranata

JONATHAN HADIPRANATA

 

What really drives my practice are emotions and storytelling.The concept of my painting in itself arises from my own experience and my view of society in which we are often unable to say what we want or express who we are, be it for the worse or for the better but almost always at the cost of our own happiness. Symbolized through taped mouth, the child figures to reflect our real innocence self, light or dark background that represents emptiness within. 

I grew up watching cartoons and anime. They’re the thing that drove me to study art in the first place, and hence my stylistic choice in my work now. Over the years, I have had a lot of artists who inspired me, not limited to fine art painters, I am also very much inspired by illustrator, and designer of graphic, interior, and architecture. 

 One of the most prominent being Rembrandt, and the paintings during the “Dutch Golden Age”. When I was in art school, while most of my friends would focus on studying the impressionist or realist, I on the other hand, would analyze these paintings and try to produce the same result in my still life paintings. For Rembrandt in particular, I was in awe with the sense of drama and storytelling that he was able to capture in his paintings and drawings, his use of light and shadow, and colours in its theatrical way sparks my love to further studying colour and light. I am also inspired by contemporary Japanese artists such as Yoshitomo Nara and Yayoi Kusama.

 Yoshitomo Nara in particular really inspired me in the way he was able to show subtle emotions through his works, almost as if you can see the artist himself (his personality, influences, and life) in his works.  

 Yayoi Kusama’s works really taught me what it meant to show your perception and understanding and at the same time, other people’s perception and their understanding of it.

 While I no longer use a strong light and shadow in my works, as well as using a more limited colour palette, which in most of the paintings for the exhibition will be focused more on different shades and temperatures of white/light soft colour to reflect the emptiness, I still want to capture the sense of drama that I had seen in Rembrandt’s works.

 My hope is through my works, people can relate it, recalling a moment, a time, and a part of their life be it in a professional environment, daily life, or private life and that they are able to embrace them, and understand themselves better. To be able to say what they want to say, and to show their real personalities. To admit our own weakness, our own qualities and face society as one’s real existence.

プロフィール

D.O.B.: November 24,1995
Resident in Indonesia

学歴

2014 年 Academy of Art University, San Francisco, USA
Visual Development, June 2014 – December 2015