
石田浩美|Hiromi Ishida 個展
夏のモノとヒトー不易流行ー
August 5 – August 15, 2021
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは、8月5日(木)より、石田浩美 個展「夏のモノとヒトー不易流行ー」を開催致します。
今回の作品の多数を占める「モノタイプ」という版画作品は注目を浴びることでしょう。
版画は本来一つの原版から複数の版画を写し取ることができますが,モノタイプの「モノ」は「ただ一つの」という意味を持ち、一般の版画表現の特徴である複数性に反しています。タブローのもつ唯一性を兼ね備えているとも言えます。
去年から続くコロナ禍の影響を受け、在宅時間が増えたことで、石田浩美は「物」に対する考えを改めて見直しました。「物」を見直し始めた石田は、自分の過去作の多くと訣別しました。日本の住空間に適する作品サイズが必要とされることもあると感じ、しかしサイズにこだわりすぎない新しい自分自身の表現方法を追求し始めました。そして、それを契機として、彼女は「モノタイプ」の作品に挑戦しています。
個展のテーマである「不易流行」は、松尾芭蕉の俳諧の理念から由来しています。伝統を踏まえつつ、一方では新しいものを取り入れることが大切だとする意味です。静的な「不易」は、新古を超越し普遍なものとして、動的な「流行」が意味する「常に変化して行くもの」が対義していますが、実際には、本質的に共通している点があるのではないでしょうか。
「モノタイプ」はインクを用い、プレス機を通し、落ち着いて洗練された印象に仕上げることで、大胆で荒々しい油絵の自己を突破しようとしています。その上、「モノタイプ」が直接描画だけでは表現できない奥行きのある画面を呈します。この絵画技法への挑戦は「不易流行」と同様の考えが潜んでいること示しています。
マスクで人の顔や表情を隠され続けている日常の中、石田浩美は懐かしい人間の表情を追い求めて描きました。マチス、ピカソ、猪熊源一郎の影響を受けた石田浩美の作品は、「人」をモチーフに洗練されたデフォルメを表現しつつ、「人」に対する愛着やユーモアを感じさせます。
顔の表情を見ることで楽しくなったり、落ち着いたり、さまざまな感情を引き起こす23点の作品を、ぜひご覧ください。

石田浩美|Hiromi Ishida
プロフィール
学歴
2011日本大学芸術学部卒業
2013日本大学大学院 芸術学研究科 造形芸術専攻 修了
2016 ドイツ バウハウス大学ワイマール 交換留学
2017東京芸術大学大学院 美術教育研究室 修了
展覧会
2014個展 東京 藍画廊
2015個展 東京 みゆき画廊
2016個展 東京 ガレリアグラフィカbis
2017個展 東京 数寄和
公募展
2012.2013新制作展 絵画部 入選
2014トーキョーワンダーウォール 入選
2015トーキョーワンダーシード入選
グループ展
2021The New Normal-Past, Present, and Future-」2人展 MEDEL GALLERY SHU
受賞
2010第31期国際瀧冨士美術賞
2011学部長賞