
山中宣明|Nobuaki Yamanaka
内村直生|Nao Uchimura
Duo Exhibition
透0響|Tokyo
February 16 – 28, 2021
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
MEDEL GALLERY SHUでは2月16日より山中宣明と内村直生による2人展「透0響」を開催致します。
「五感絵画」という視点から抽象・具象・心象の区別に組みさず、また洋の東西に拘泥しない、感覚を視覚言語として提示する方法としての絵画を模索してきた山中宣明。
「音楽を奏でるに描いてきた」と自ら振り返る山中の作品は、アンフォルメルなど従来の抽象表現主義のそれとは距離を置いた、独自の奥行きがある絵画世界を湛えています。
また山中は自らの絵画のあり方について「例えるなら茶碗のような存在に、もしくは自然物のような存在でありたい」と話します。自己表現や啓発としての絵画ではなく、鑑賞者を招き入れ、滞在をさせ、感性を解き放つ場所として考える彼は、だからこそ絵画の奥行きについて格段の注意を払います。
一方の内村は女性をモチーフとしつつ、その存在に恣意的な意図を加えず、ありのままの姿として肯定し、作品の中に解き放ちます。
ドローイングやガラスによる立体など異なるメディウムで展開される彼女の作品は、一貫してメディウムとの対話をその根底に置いています。
「素材を制するよりは素材に任せることも大事」と本人は語りますが、その言葉の通り、内村はガラスと向き合う時、その温度を九百度まで上昇させ、素材のコントロールが困難な領域へと自ら踏み込みます。
素材に内在する可能性を引き出し、格闘し、それによって出来上がる作品は素材との対話の結晶と言えるでしょう。 独自の奥行きをつくりあげ、場所としての絵画を模索してきた山中宣明、そして素材に向き合いながら作品を紡いでいく内村直生は、その扱うところのテーマやメディウムも大きく異なります。
本展では2人の作品を同じ空間に展示することにより、美術作品への対峙によって生まれる空間的な意識、そして感覚について考察する機会となることを目指します。
作品同士が響き合いながら生み出す空間の妙を、この機会に是非ともお楽しみください。

山中宣明|Nobuaki Yamanaka
西洋美術の抽象画に水墨画など東洋美術の表現を取り入れ、「山中ブルー」と称される独特の色彩を持つ絵画作品を制作。1992年第77回二科展絵画部特選受賞。1996年第81回二科展絵画部会友賞受賞、1997年第82回二科展絵画部二科賞受賞、2003年第88回二科展絵画部会員賞受賞、2004年第89回二科展絵画部内閣総理大臣賞受賞。

内村直生|Nao Uchimura
1992年多摩美術大学ガラスコース卒業。同年から米国・シアトルで、ガラス作家S・プラム氏に師事。
多摩美術大学ガラス研究室副手を経て、94年からチェコ共和国プラハ国立芸術大学に留学。Milan Knizak教授や、ガラス作家G・シャボーコヴァー氏に師事。その後、彫刻家・小田部泰久氏に師事。現在は、ガラス作品やドローイングなどにより、「女性」をテーマにした作品を発表。