内田ユイ|TYM344
ART FOLDA 00
SKIP TRACER
2019年8月19日(月)〜9月1日(日)
11:00〜19:00(最終日は17:00)
ーー借りたまま返されない、感情、本、人生観。
(Sonic Youth《Skip Tracer》(1995)より)
この度、MEDEL GALLERY SHUでは、内田ユイ・TYM344による二人展「ART FOLDA 00『スキップ・トレーサー』」を開催します。
内田ユイは、アニメーション制作の現場で使われていたセル画技術を引用・展開した絵画作品を制作しています。描かれたイメージが持つ運動性/時間性の問題や、透明支持体の特性を利用して「鑑賞者」と「支持体の向こう側」の境界線/距離の問題を問うています。
TYM344は、「絵を描くこととは、決定された画像をつくること」を掲げ、自身が「二値化絵画」とよぶ手法を用いた絵画を制作しています。自身が描くマンガのキャラクター、街にあふれる標識・看板、美術史をはじめとした種々の文化史といったものからのサンプリングを繰り返しながら、現代におけるイメージの認識についての考察をも行います。
本展覧会のタイトルにあることば「トレース(trace)」は、跡をたどる、なぞる等の意味があります。TYM344は自作の半分以上は街の看板や標識などをサンプリングして画面を構成する点でtraceであり、内田ユイはアニメーションの仕組みを絵画に転用しているのでまさにtraceがその原理的な要素になります。そしてそもそも絵画(描くこと)とは本来「何かを写し取る」作業です。
しかしながら、今回のタイトルは単にtraceではなく、Skip Tracerです。traceするもの、つまりここで問題にされているのは「行為」ではなく「行為主体」となります。では、ここでいうSkip Tracerとは一体誰のことを指すのでしょうか。それは展覧会を通じて皆様に考えて欲しいと思います。
*Skip Tracerとは「行方をくらました人を追跡する者」や「借金取り」のような意味があります。
内田ユイ | Yui Uchida
美術作家・グラフィックデザイナー。山梨県生まれ。女子美術大学芸術学部メディアアート学科卒業。アニメーションを築いたコアである今は亡きセル画技術を引用し、透明な支持体で絵画を制作している。”セル画”から美術作品への試みと拡張、1枚の絵画から発生する動的感覚における物語表現への追求を行う。主な個展に「シーク・ユー」(新宿眼科画廊, 2016年)、「風と現前のカタストロフ」(新宿眼科画廊, 2015年)他。主なグループ展に「シブヤスタイル vol.11」(西武渋谷)、「BARRACKOUT」(旧松田邸, 2016年)、下田ひかり個展「やがてゼロに至る黙示録」ゲスト出展(The Artcomplex Center of Tokyo, 2015年)他。第1回坂口恭平賞受賞(2016年)。
ウェブサイト:https://yui-uchida.wixsite.com/yuiuchida-web
Twitter:https://twitter.com/_y_u_c_h_i_
プロフィール
2011
女子美術大学 芸術学部メディアアート学科 卒業
〔Exhibition〕
2017
- 「シブヤスタイル vol.11」 /西武渋谷店 B館
- 「女子美 助手展 2017」 /女子美術大学・杉並キャンパス
- GINZA 24H SQUAD /旧銀座松崎ビル・東京
2016
- 「BARRACKOUT/バラックアウト」 /旧松田邸・東京
- 個展「シーク・ユー」 /新宿眼科画廊・東京
- 「KITAJIMA/KOHSUKE #13 ~池と怪物~」 /シェアスタジオ カタ/コンベ・東京
- 「奥村直樹ノ友達展」 /DESK/Okumura・東京
2015
- 「depositors meeting 13」/art & river bank・東京
- 「KITAJIMA/KOHSUKE #10 ~100年転送~」 /シェアスタジオ カタ/コンベ・東京
- 個展「風と現前のカタストロフ」 /新宿眼科画廊・東京
- 下田ひかり個展「やがてゼロに至る黙示録」ゲスト出展 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
2014
- 「トランスエフュージョン3〔後期〕」 /新宿眼科画廊・東京
2013
- 個展「プール」 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
- 「ACTチャリティー小品展2013」 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
2012
- 「Square Graphic art exhibition vol.10 正方形グラフィックスの表現」 /RECTO VERSO GALLERY・東京
- 「ACTチャリティー小品展2012」 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
- 個展「リクビダートル」 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
2011
- 「日常と並列させるために」 /ギャラリーKINGYO・東京
- 「Holiday vol.6」 /ギャラリーKINGYO・東京
- 「Girls Illust Exhibition#14」 /The Artcomplex Center of Tokyo・東京
- 「unius」 /横浜 赤レンガ倉庫1号館・神奈川
- 「女子美スタイル最前線」 /横浜 BankART studio NYK・神奈川
〔受賞〕
2016 第一回 坂口恭平賞 受賞
2011 「Girls Illust Exhibition#14」アートコンプレックスセンター東京 /グランプリ受賞
〔メディア掲載〕
2017 美術出版社 「美術手帖」3月号 /土屋誠一 評 “コード不在の集合体” BARRACKOUT/バラックアウト展
2016 山梨 YBSラジオ「ラララ♪モーニング」/ラジオ出演
2015 「maimailune」 /インタビュー掲載〈韓国〉
2014 光文社 月刊「JJ」3月号 銀座カラーアイズ広告ページ /漫画掲載
2014 光文社 月刊「JJ」2月号 銀座カラーアイズ広告ページ /漫画掲載
2014 光文社 月刊「JJ」1月号 銀座カラーアイズ広告ベージ /漫画掲載
2012 「甲州最前線」 /インタビュー掲載
2011 JDN「卒展特集2011」/作品掲載
〔アートワーク・その他〕
2018 子ども向けワークショップ「自分だけのオリジナルキャラクターをセル画絵にしよう」
2017 KOCHO JAPAN シングルCD「終わりの先まで」アートワーク担当
2016 KOCHO JAPAN シングルCD「アウトライン」アートワーク担当
2015 KOCHO JAPAN シングルCD「逸れた世界」アートワーク担当
2015 COMITIA111 漫画雑誌「もしもし」寄稿
TYM344 (ティー・ワイ・エム・スリー・フォー・フォー)
美術家。東京都生まれ。早稲田大学第一文学部総合人文学科美術史学専修卒業。「絵を描くこととは、決定された画像をつくること」として、道路標識から秩父連山まであらゆる不動物を手本にして、二値化された非・動画的な絵画を目指す。主な個展に「HARD/SOFT」「NEVER UNDERSTAND」(ナオナカムラ, 2017年)、「サブスタンス」(新宿眼科画廊, 2015年)他。主なグループ展に「パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア」(ギャラリー鳥たちのいえ, 2017年)、「BARRACKOUT」(旧松田邸, 2016年)、「現在戦争画展」(TAV GALLERY, 2016年) 他。出版物として、『わかりたい! 現代アート』(著/布施英利・画/TYM344、光文社知恵の森文庫)、『絵画検討会2016-記録と考察、はじめの発言』(アートダイバー社)など。
ウェブサイト:https://www.tym344.com/
Twitter:https://twitter.com/TYM344
プロフィール
2010
早稲田大学第一文学部総合人文学科美術史学専修卒業
出展 – 個展
2017
- 「NEVER UNDERSTAND」ナオナカムラ(heavysick ZERO), 東京
- 「HARD / SOFT」ナオナカムラ(FAITH), 東京
- 「新井のアイちゃん展!2」meee Gallery Tokyo, 東京
2015
- 「サブスタンス」新宿眼科画廊, 東京
- 「木の実は本へO2」gallery KATA/KOMBE, 東京
2014
- 「新井のアイちゃん展!」meee Gallery Tokyo, 東京
出展 – グループ展
2019
- 「gallery TOWED 1周年記念展」gallery TOWED, 東
- 「TAV GALLERY 5th Anniversary Exhibition『MID CORE』」TAV GALLERY, 東京
- 「VIEWS and FACES」THE blank GALLERY, 東京
2018
- 「gallery TOWED プレオープン展」gallery TOWED, 東京
- 「飯島モトハルv.s.藤城嘘 企画展 “無礼らか”」TATARABA, 東京
- 「弓指寛治個展”四月の人魚”」(フィーチャリング出展) ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ, 東京
2017
- 「パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア」ギャラリー鳥たちのいえ, 鳥取
- 「シブヤスタイル vol.11」西武渋谷美術画廊他, 東京
- 「カオス*ラウンジ9 Vapor地獄」ビリケンギャラリー, 東京
- 「GINZA 24H SQUAD」銀座四丁目某廃ビル, 東京
2016
- 「BARRACKOUT」旧松田邸, 東京
- 「Deblis*Lounge」ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ, 東京
- 「現在戦争画展」TAV GALLERY, 東京
- 「絵画検討会2016」TURNER GALLERY, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#13 〜池と怪物編〜」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「COLLAPSE EVE」豊島区役所旧庁舎, 東京
2015
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#12 〜果ての二十日の81〜」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「しゃがみ弱パンチ美術館 52Hz, homing」しゃがみ弱パンチ美術館(会場:中野ZERO), 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#11 〜台風のくれたテーブルにつけ」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「カオス*ラウンジ7 穏やかじゃない」ビリケンギャラリー, 東京
- 「しゃがみ弱パンチ美術館 inコザ銀天街 “52Hz”」しゃがみ弱パンチ美術館(会場:コザクロ), 沖縄
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#10 〜100年転送〜」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#09 〜椀Q松山翌の噂〜」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「HILFA!」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「COMITIA111」東京ビッグサイト東5・6ホール, 東京
2014
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#08」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「COMITIA110」東京ビッグサイト東4・5・6ホール, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#07」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「カオス*ラウンジSIX ~イメージの他力本願~」ビリケンギャラリー, 東京
- 2人展「ホーム・アンド・ドライ」commune, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#06」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「TAGBOAT ARTFES 2014」大本山増上寺, 東京 《審査員特別賞》
- 「GEISAI#20」東京流通センター, 東京
- 「ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ」しゃがみ弱パンチ美術館(会場:中野ZERO), 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#05」gallery KATA/KOMBE, 東京
2013
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#04」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「COMITIA106」東京ビッグサイト東5・6ホール, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#03」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「GEISAI#19」東京都立産業貿易センター台東館, 東京 《審査員賞ノミネート》
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#02」gallery KATA/KOMBE, 東京
- 「GEISAI#18」東京都立産業貿易センター台東館, 東京
- 「”KITAJIMA/KOHSUKE”#01」gallery KATA/KOMBE, 東京
出版
2017
- 光文社-知恵の森文庫『わかりたい!現代アート』布施英利/著・TYM344/画
- アートダイバー社『絵画検討会2016 − 記録と考察、はじめの発言』
メディア掲載・展評 等
2018
- 月刊Art Collectors’10月号 巻頭インタビューおよび作品掲載
- 美術手帖 2018年8月号増刊 藤田嗣治特集 作品掲載
2017
- 美術手帖 2017年3月号 [土屋誠一 評 “コード不在の集合体”「BARRACKOUT/バラックアウト」展
2016
- 美術手帖 2016年12月号 [あなたの知らないニュー・カマーアーティスト100]
- 美術手帖 2016年9月号 [沢山遼 評 “構造と貧困” 「絵画検討会2016」展]
- 美術手帖 2016年5月号 美術館・ギャラリーガイド「ART NAVI」 (2016.4.16-) 表紙
- 光文社新書『遠近法(パース)がわかれば絵画がわかる』布施英利/著 作家評 p100-102
- 美術手帖 2016年4月号 美術館・ギャラリーガイド「ART NAVI」 (2016.3.17-) 表紙
- 美術手帖 2016年3月号 美術館・ギャラリーガイド「ART NAVI」 (2016.2.17-) 表紙
- 美術手帖 2016年2月号 美術館・ギャラリーガイド「ART NAVI」 (2016.1.18-) 表紙
2015
- 美術手帖 2015年8月号 [椹木野衣 月評第84回 “二値、日、ニッチ” TYM344「サブスタンス」展]
- CINRA.net [TYM344の個展『サブスタンス』、テーマは「不動物・無生物を称えるためのクラブ]
