
Individualism
稲田侑峰|小俣英彦|田中幹希|東條明子|吉川千香子
9月16日(月・祝)〜9月25日(水)、会期中無休
11時〜19時(最終日は17時まで)
それぞれの作家の表現するアートの捉え方・人間の捉え方・作品に込められたメッセージ、さらに本質の解釈・価値観の違いを楽しむ人体立体の企画展。
人体作品の作家は、それぞれ全く異なる作風で個々のオリジナリティを存分に訴求し、グループ展らしからぬ、一見無秩序な風景で、小さな個展がまとまって開催されているかの様です。
しかし、その印象は、実際の人間社会における無関心と興味の表裏一体な関係性・価値観を暗示しているにすぎず、本来は覗き見主義的な、よく言えば、愛情深い、おせっかいなほどの興味の塊である人間愛にフォーカスを当てています。
人間賛歌とも言える作家の美意識の饗宴となることでしょう。
参考:
Individualismとは個人主義と訳される。
しかし「個人主義」と「利己主義」は同一ではない。個人主義は個人の自立独行、私生活の保全、相互尊重、自分の意見を表明する、周囲の圧力をかわす、チームワーク、男女の平等、自由意志に大きな価値を置いている(Wikipediaより抜粋)。

稲田 侑峰|Ikuo Inada
作品コンセプト
どんなに世の中が進歩しても1人の人間が抱えきれる気持ちの総量は昔からあまり変わっていないようだ。だからどんどん、ただ今があるだけになっていく。
どんなことが起きても心の上辺だけで流れていく。
不満も不安もすべては生きて行く原動力なのに、それすらもぼやけている。
静けさの中で今を見つめる人を表したい。
ステートメント
僕は今、目の前で話しているあなたの心がわからない。
そして僕は自分の心すらよくわからない。
もしかしたら、作品を作ることで自分の心を自覚的に覗くことができるかもしれない。
プロフィール
東京藝術大学美術学部彫刻科 卒業
2012
東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了
2015
東京藝術大学大学院美術研究科博士後期過程美術専攻彫刻専攻領域 修了
個展
2018
稲田侑峰展「 眠れない夜に 」 NORA HAIR SALON(東京)
2018
稲田侑峰展「 幻影 」 Gallery&Zakka Gigi(神奈川)
2017
稲田侑峰展「 呼び声 」 ガレリア・グラフィカbis(東京)
2016
稲田侑峰展「 冷めた午後 」 ガレリア・グラフィカbis(東京)
グループ展
2019
- Small Works 2019 ガレリア・グラフィカbis (東京)
- 「濾過と抽出」 MEDEL GALLERY SHU (東京)
2018
- 石川直也・稲田侑峰展「 けはいの景色 」 湘南くじら館(神奈川)
- Small Works 2018 ガレリア・グラフィカbis(東京)
2017
- Small Works 2017 ガレリア・グラフィカbis(東京)
2015
- 第10回 アトリエの末裔あるいは未来 東京藝術大学大学美術館陳館、旧平櫛田中邸(東京)
2013
- 「Entities」 Gallery&Zakka Gigi(神奈川)

小俣 英彦|Hidehiko Omata
作品コンセプト
本展では、自身の皮膚を境界として広がる内側の世界について、その存在と、それらをつなぐ関係性や機能について考えています。有限を突き詰めた先に無限が広がっているとすれば、身体のほんの一部でしかない心臓や細胞の形を触媒として、外側に広がる世界と交感し、そこに「人」の存在を浮かび上がらせることが出来るのではないか。人体に限定された今回の展示空間の中で、いわゆる「ヒト型」を伴わない自身の作品が、果たしてどのような関係性を結び機能を果たしうるのか、はたまたノイズとなってしまうのか、、、、。
ステートメント
世界のほんの一部であり、同時に世界そのものでもある「人間」の存在を、またその身体の内部で有機的に構成され、揺らぎながら自己創出する生命システムの形を、彫刻や写真などで表現している。
プロフィール
2002 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2004 東京藝術大学大学院美術研科彫刻専攻修了
【主な個展・グループ展】
2002 GIFT/Winter Show/SCAI THE BATHHOUSE(東京)
2004 第8回岡本太郎記念現代芸術大賞展/川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
2005 UPRIZE -彫刻における現代への視座-/上野の森美術館 EXTRA (東京)
2006 FROM LIFE/長崎県南島原市南有馬町(長崎)
2007 個展 ギャラリーせいほう(東京)
物語の彫刻/東京藝術大学大学美術館陳列館(東京)
2008 彫刻・林間学校/メルシャン軽井沢美術館(長野)
2009 彫刻—労働と不意打ち/東京藝術大学大学美術館陳列館(東京)
2010 個展 シリーズ彫刻//新時代vol.5/東京日本橋髙島屋美術画廊X(東京)
2011 個展 –silence–/GALLERY M Contemporary Art(愛知)
2013 個展 edge of body/沖縄県立芸術大学彫刻演習室(沖縄)
2014 個展 hearts/東京日本橋髙島屋美術画廊X(東京)
個展 hearts/大阪なんば高島屋ギャラリーNEXT(大阪)
第12回大分アジア彫刻展/朝倉文夫記念文化ホール(大分)
高島屋幻想博物館展/東京日本橋髙島屋美術画廊(東京)
(大阪、京都、横浜、名古屋、新宿に巡回)
2015 立体彫刻7人展/GALERIE SOL(東京)
第十回アトリエの末裔あるいは未来/旧平櫛田中邸・東京芸術大学大学美術館陳列館(東京)
2016 第13回大分アジア彫刻展/朝倉文夫記念文化ホール(大分)
個展 糸をはる前に/NEURO KICHIJOJI(東京)
2017 Current Traditions: Contemporary Japanese Sculpture/SU ART GALLERIES Salisbury University (U.S.A)
個展 糸のはり方/アーツ千代田3331(東京)
2018 木彫三昧/横浜タカシマヤ美術画廊(神奈川)
個展「Phase Transition」(GALERIE SOL・東京)
「木彫三昧」(髙島屋 横浜/新宿)
「刻まれた時間—もの語る存在」(東京芸術大学大学美術館)
2019 「SUPREME展−立体2019-」(GALERIE SOL・東京)
【パブリックコレクション】
・佐久市立近代美術館(長野)・信州国際音楽村(長野)

田中 幹希|Motoki Tanaka
作品コンセプト
現代社会では他人と同じ格好、髪型、雰囲気、印象など同じ記号のような人間が多種多様に存在しています。
その中で、人は何を基準に個人を認識しているのでしょうか。
人は無意識に一人一人を類似し、グループにカテゴライズして個人を認識しています。
しかし、実際には特徴が似ているだけであり、一人一人に色(個性)があります。
今回の作品では同じ姿、形をした人物が色の変化によって複数の同一の存在ではなく、個人として認識されるかについて表現しています。
ステートメント
作品のテーマは一貫して
「人の印象」と「人が持つ匿名性」という部分にスポットを当てている。
私の作品には人の印象にとって一番大事な顔がない。社会において顔とは名刺のようなものであり、個人を認識する上で、人の印象を決めるとても強い力だ。顔がない事によって私の作品は個人を特定できない、「誰かではあるが誰でもない誰か」となる。
人が他人の印象を決める時、外見の一部ではなく全体の形の色や、雰囲気などぼんやりしたイメージで認識し、特定しているのではないか。
顔がない事によって、人が本来持っている匿名性が如実に現れ、人の印象にどのような変化をもたらすのかに興味があり、現代社会に存在する匿名性と人の印象を顔のない人物像で制作している。
プロフィール
<個展>
2016.1 「Another Surface」 NANATASU GALLARY/東京
<主なグループ展>
2013.3 「人人人展」 ap gallery /東京
2014.2 「ZOKEI展」 東京造形大学/東京
2014.3 「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館/東京
2014.8 「Japan-Thailand Art Student Exhibition」 Chiang Mai University/タイ
2014.8 「人間展2014」 金沢21世紀美術館/石川
2014.12 「人体の余白 Blank space of human」 東京造形大学CSギャラリー/東京
2015.5 「SICF16」 スパイラルホール/東京
2016.12 「the art fair+plus-ultra 2016」 スパイラルホール/東京
2017.7 「気配 ーけはひー」 FEI ART MUSEUM YOKOHAMA/神奈川
2018.5 「IAG AWARDS 2018」 東京芸術劇場/東京
2019.5 「 IAG ARTISTS SELECTION 池袋回遊派美術展」 東京芸術劇場/東京
<受賞歴>
2014.8 人間展2014 立体部門 部門賞

東條 明子|Akiko Tojo
作品コンセプト
例えば寂しいとか儚いとか切ないという気持ちは、私という人間を維持する上で大切な感覚です。そういった一見マイナスと思われる感覚を身近なものや動物、記憶を頼りに、具体化して納得しプラスに変えていくこと、そして、少しクスッと心が和む作品になればと思います。
ステートメント
子供や女性、動物をモチーフに繊細な心の動きや柔らかく暖かな感覚を木彫で表現しています。ひとの仕草を丁寧に追いながら、彫刻として纏う空間や表情を大切にしています。
プロフィール
2009 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2011 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了
<展覧会・受賞歴>
2006 GEISAI♯10(東京ビックサイト・東京)
2007 オンナノコア ~onnanocore(exhibit Live & Moris・東京)
第2回 藝大アートプラザ大賞展(藝大アートプラザ・東京)準大賞受賞
2008 国際瀧富士美術賞特別賞受賞
2009
- 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
- With My Eyes Closed(Ise Cultural Foundation Front Gallery・ニューヨーク)
- 愛と笑いと涙を(CASHI・東京)
- 第5回 アトリエの末裔あるいは未来+書道博物館 (旧平櫛田中邸・東京)
- 彫刻の五・七・五(沖縄県立芸術大学付属図書・芸術資料館・沖縄)
2010 第6回 アトリエの末裔あるいは未来+書道博物館 (旧平櫛田中邸・東京)2011
- 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
- 台東区長奨励賞受賞
- “petit”GEISAI♯15(産業貿易センター台東館・東京)
- 藝大アートプラザ大賞受賞者招待展(藝大アートプラザ・東京)
2012 夏の芸術祭 2012 -次代を担う若手作家作品展(日本橋三越・東京)
2013 藝大アートプラザ大賞受賞者招待展(藝大アートプラザ・東京)
2014
- 木の系譜 –進化する奔流-(高島屋日本橋・大阪・横浜)
- 藝大アートプラザ大賞受賞者招待展(藝大アートプラザ・東京)
2015
- 藝大アートプラザ大賞受賞者招待展2015(藝大アートプラザ・東京)
- GIRLS BRAVO!!!!! NORA Journey × 拝借景(NORA Journey・東京)
- 第10回 アトリエの末裔あるいは未来 (東京藝術大学大学美術館陳列館・東京)
- Artistic Christmas vol.IX (新宿高島屋・東京)
2016
- 女子感(新宿高島屋・東京)
- ないしょの時間(松坂屋名古屋・愛知)
2017
- 壁に掛かる彫刻展(阪急・大阪)
- CURRENT TRADITIONS Contemporary Japanese wood sculpture(Salisbury University Art Galleries)
- 小さなアートの専門展(新宿高島屋・東京)
2018
- 木彫三昧(高島屋・横浜、新宿)
- 藝大アートプラザ大賞受賞者招待展(藝大アートプラザ・東京)
- 明日にかける木彫作家たち展(静岡松坂屋)
- 小さなアートのクリスマス展(新宿高島屋・東京)
2019
- 東條明子展(新宿高島屋・新宿)
- 木彫三昧(高島屋・大阪、日本橋)
- 小さな絵画展(藝大アートプラザ・東京)
- ART TAIPEI 2019(MILLENNIUM・台湾)
- 藝大×こども展vol.1 森の宝物をさがしに(藝大アートプラザ・東京)

吉川 千香子|Chikako Yoshikawa
作品コンセプト
土を素材に使っているのは手のあと(跡)が残る楽しさ 自分のその時々の感情表現が出来る。
自分の思いのまま 土とふれあい遊んでいる中、生まれる作品がスキです。
そして人をテーマに作るときはシリアスではなくユーモア。
楽しさが伝わる作品であってほしいです。
ステートメント
作品は磁土、陶土を使っている。
ここ数年「MIX迷」というタイトルで制作していますが、これは違う硬さの土 違う素材、釉薬を混ぜながら作る事で又違った表現が生まれます。これらは窯の中で焼くとさらに変化して窯から出てくる時の楽しみでもあります。
プロフィール
1970 武蔵野美術大学彫刻学科 卒業
1974 愛知県常滑市に移住
1978 初個展。以後、個展多数
– 展示 ・ ワークショップ ・ 受賞歴 –
1992 国際陶芸交流事業 ・ マラ工業大学 (シャーアラ / マレーシア)
1996 Animal展 (フランクフルト / ドイツ)
1997 マグカップシンポジウム (ドゥビ / チェコ)
1999 国際陶芸交流事業 ・ デリーブルーポタリー (デリーブルー / インド)
Tierr Reposada展 (コルドバ / スペイン)
2000 Yoeju International Ceramic Workshop (驪州 / 韓国)
2001
- 2nd International Porcelain Pot Symposium (カルロビバリ / チェコ)
- “Traveling Package” (バンコク / タイ)
- Yoeju International Ceramic Firing Event Workshop (驪州 / 韓国)
- 伊丹酒杯台展 優秀賞 (兵庫)
- Animal Exhibition (ドイツ)
2003
- 3rd International Porcelain Pot Symposium (カルロビバリ / チェコ)
- The 2nd World Ceramic Biennale 2003 Korea 特別賞 (韓国)
- Ramon Fort Work Shop (ジローナ / スペイン)
2005
- 4th International Porcelain Pot Symposium (カルロビバリ / チェコ)
- The 3rd World Ceramic Biennale 2003 Korea International Ceramic (韓国)
- WOOD- FIRING FESTIVAL 2005 (韓国 / 驪州)
2006
- Lanna style International Workshop (チェンマイ大学 / チェンマイ / タイ)
- TOJI Avantgard et Tradition de la Ceramique Japonaise (セーヴル陶磁器美術館 / パリ / フランス)
2007
- Association Culturelle Franco Japonaise de Tenri (パリ / フランス)
- 10th International Mug Symposium “Traditions and Possibilities 2007” (チェコ)
- 吉川千香子展 “華” (伊勢現代美術館 / 三重)
2008 International Workshop (インスブルク / オーストリア)
2009 PATISATU STUDIO Workshop (クアラルンプール / マレーシア)
2010 Gelerie LOES & REINIER (オランダ、セーヴル陶磁器美術館 / パリ / フランス)
2011 Rosemarie Jager Galerie (フランクフルト / ドイツ)
2012 Les journees de la ceramique (フランス)
2014
- ワークショップ(スペイン)
- Les journees de la ceramique (フランス)
- The forth biennale shanghai international contemporary porcelain art exhibition (上海 / 中国)
2015 ワークショップ(韓国、スペイン)
2016
- Macau Art Garden “CERAMIC EXHIBITION” (マカオ)
- ワークショップ(コロンビア)
2017
- MOE ART DESIGN (ロサンゼルス / アメリカ)
- 2018 えがおのたから展(MEDEL GALLERY SHU(東京)
- 2019 ワークショップ(韓国)
- Chikako Yoshikawa個展(パリ/フランス)
- 吉川正道・吉川千香子・三浦世津子 三人展(MEDELGALLERY SHU/東京)
– パブリックコレクション –
不思議の森 吉川千香子の世界 (名古屋市東山植物園 / 愛知)
常滑市民文化会館 (愛知)
伊勢現代美術館 (三重)