美波

小林望美 個展

roll swipe connect

November 9 – 17,2021

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

MEDEL GALLERY SHUでは11月9日より小林望美の個展を開催します。
小林望美のモザイク画は、石や、ガラス、貝殻などの小片を寄せ合わせてつくる装飾美術技法ではなく、デジタル映像を再生した時に生じたブロックノイズや、低解像度の写真・画像から着想を得て変遷してきました。
その作品スタイルは、モザイク加工を施した写真のメディウム転写に始まり、2016年以降は主に木製パネルへ直接モザイク状の絵を描いてから、粒の輪郭線を彫刻刀で彫る独自の手法が用いられています。

本展は、カメラロール(アルバム)やSNSをスクロール、スワイプしたとき目に留まった記録を素材に、モザイク加工し描いた作品群で構成されています。
情報社会への移行と共に、容易に私的なネットワーク形成が可能となり、より閉塞的で強固な仲間意識に基づくコミュニティが多くなりました。時には排他的思想から、自律した他所の集団や個人と衝突することも少なくありません。
小林の作品は一見、個人の閉鎖的情景を描いているように思われますが、そのテーマは自他の表裏一体性です。モザイクスタイルを用いることで匿名性を高め、自己と他者を隔つ境界線をぼかす試みが行われています。
このギミックがうまく発動作用したとき、人々は描かれている特定の事象を自身の知識や経験・想像力で補い見ることでしょう。各々のフィールドに身を置きながら、記録と記憶が相互補完の関係を結び、視点の数だけ作品には新しい見解が派生し展開していくのです。
「roll swipe connect」(ロール スワイプ コネクト)という展示タイトルはこれを由来とした造語です。

この度は大作から小品まで、新作ペインティング約20点を展示いたします。
画面に広がる細かな手業や鑑賞する角度に呼応しキラキラと光が揺らぐ視覚効果は、肉眼でしか味わうことができません。是非ご高覧ください。

小林望美 Nozomi KOBAYASHI

彫るモザイク画家

 

主に自他の表裏一体性をテーマに制作を行う。
モザイク化や彫る行為は素材を分解・再考する手段としてだけでなく、匿名性を高め、私たちがものを認識するとき無意識に働かせてしまう先入観を和らげる役割も担っている。
一度破壊し断片化された絵(画面)を再構成・修復する試みから、彫刻してできた溝へ金属色の絵の具を用い、金継ぎを模した仕上げを施す作品も手掛けている。

プロフィール
1991 茨城県出身
2014 群馬大学教育学部芸術・表現系美術専攻 卒業
2016 彫るモザイク画での活動を開始
2017 以降、主に都内百貨店・ギャラリーを中心に活動を展開中

<個展>
2019「ジェネリックラブ」八犬堂(東京).
2018「夜底の惑星で、」Art Mall(東京)
2017「心辺に座礁」Art Mall(東京)

<受賞歴>
2017 第2回星乃珈琲絵画コンテスト 佐藤俊介審査員優秀賞
2016 KENZAN2016 LOWER AKIHABARA賞

<出演・掲載>
2020 アートビジネスマガジンARTFULLインタビュー掲載
2019 月刊美術6月号(「藝術集団 ARTpro」のエッジィな個性派×7)
2018 BSフジ「ブレイク前夜〜次世代の芸術家たち〜」第107回出演
2017 美術の窓6月号(「新人大図鑑2017」Art Mall推薦作家)


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