サワダモコ|Moco Sawada
Solo Exhibition
個展「生活の切り売り」
February 20 − March 3, 2024
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは、気鋭のアーティストサワダモコの個展「生活の切り売り」を2月20日より3月3日まで開始いたします。
サワダモコは、常に新しい技術や視点をとらえて作品に取り入れており、特にパソコンやアプリケーションの技術や仕様を独自に解釈・利用し、それらを制作に取り入れて、ユニークな作品を作り上げています。また、テクスチャーの捉え方も独特で常に試行錯誤しながら展示毎に進化する作品には目を見張るものがあります。
この展示は、2017年に制作した『生活の切り売り』という作品を元に構成した。
「私生活の一部を切り取ってコンテンツにすることで、その人が現実世界ではなくコンテンツの中に存在しているように感じる」というテーマの作品を制作してから7年近くが経過した。ソーシャルメディア、オンラインゲーム、ストリーミングサービスなどのデジタルプラットフォームの普及により、私たちの生活がますますデジタル化され、個々の経験や関係がコンテンツ化され、切り売りされる現象が、当時からさらに加速し、コロナ禍で爆発的に増加した。
個々の生活や経験がいかにしてコンテンツの一部として消費され、評価されるか。その中で、自我がコンテンツ自体に吸収されて崩壊していく感覚を描いている。
画面上のキャラクターにグリッチノイズをかけた様子をキャンバスに絵の具で描き加えることで、デジタルな要素としての矩形に存在が冒されていく様を表現している。このグリッチノイズは、「データモッシュ」という手法によって生成されている。
データモッシュは、映像や画像のデータを故意に改変し、意図的なエラーやノイズを発生させて視覚的な効果を生み出す技術である。これを絵の具で描くという行為をもって、SNSに溢れる表面的な情報を摂取し続けて情報の解像度が下がっていく感覚、自分自身がどんどんコンテンツの波に取り込まれていく感覚をキャンバス上に刻みつけている。
また、展示タイトルの「生活」の部分に着目した古着コラージュ作品も展示している。これらは、昨年11月に大阪の古着店で個展を開催した際に、店舗から提供していただいた古着を使用して制作した作品シリーズである。生活には必要不可欠な衣類だが、近年は安価な服が大量生産されては廃棄され、世界的な問題になっている。「消費の結果」としての古着を貼り付けたキャンバスに描かれた少女のキャラクターも、衣類と同様に消費されては消えていく存在である。衣類を切って貼り付けて作品にする行為も、ある意味「生活の切り売り」と言えるだろうか。
サワダモコ
気鋭のアーティストサワダモコのコンテンツに取り込まれる自我の有り様をご覧ください
サワダモコ|sawadamoko
1990年生まれ 大阪府出身・在住。
「つくられたもの」をテーマに、画像ファイルや3Dオブジェクトの「グリッチ」を取り入れたキャラクターを油絵の具やアクリル絵の具で描く。
被造物と空間との関係性を探るため、近年はキャラクター絵画だけでなく、地図アプリ上の風景画も制作。
プロフィール
2023
「一瞬を、選んで、切り取って、廃棄する」(three star osaka / 大阪)
「FAILED TO LOAD」(GALLERY JO YANA / フランス)
「45°」(SUNABA Gallery / 大阪)
2022
「逃避と報酬」(Art Gallery Shirokane 6c / 東京)
2021
「coexistence with collapse」(LIGHTHOUSE GALLERY / 東京)
2020
「仮想楽園計画」(SUNABA Gallery / 大阪)
2017
「Breaking FIREWALL」(アートコンプレックスセンター / 東京)
2016
「FIREWALL TO PROTECT ME」(SUNABA Gallery / 大阪)
2014
「Re: Install」(新宿眼科画廊 / 東京)
■Group Exhibition グループ展
2023
「COSMOS」(palpito / 東京)
2人展「わすれものをさがしに」(Art Gallery Shirokane 6c / 東京)
「EYES_Vol.2」(MEDEL GALLERY SHU / 東京)
2022
「SYNESTHESIA」(+ART GALLERY / 東京)
「Girls Mix Cream Latte」(palpito / 東京)
「和心芸術展」(GALLERY JO YANA / フランス)
「二次元派」(代官山ヒルサイドフォーラム、N&A art SITE / 東京)
「ポストkawaii Ⅳ」(SUNABA Gallery / 大阪)
「BEYOND」(333 Gallery Taipei / 台湾)
「SHOWCASE:comic & ART 2022」(アトリエ三月 / 大阪)
2021
「日本グループショウ」(GALLERY JO YANA / フランス)
「裏kawaii」(SUNABA Gallery / 大阪)
2019
「うまい棒×CREATORS展」(シアター1010、ギャラリーB.C / 東京)
「風景の発見」(SUNABA Gallery / 大阪)
2018
「純粋キャラクター批判」(SUNABA Gallery / 大阪)
2016
「CUTE AND SWEET, BUT…」(MASATAKA CONTEMPORARY / 東京)
「199x⁵ (きゅーえっくす5)」(アートコンプレックスセンター / 東京)
2014
「トランスエフュージョン03(前期)」(新宿眼科画廊 / 東京)
2013
「ミラクルミーム」(新宿眼科画廊 / 東京)
「トランスエフュージョン02 ドローイング展」(新宿眼科画廊 / 東京)
2011
pixkikiアナログ展覧会第3弾「アナログ部屋」(Hidari Zingaro、Kaikiki Zingaro / 東京)
「初音ミク pixiv×Kaikaikiki Gallery 展覧会」(「SNOW MIKU for SAPPORO 2011」内 / 北海道)
2010
「オイルショック!(0000Fest内)」(Hidari Zingaro / 東京)
「wassyoi#」(0000Gallery / 京都)
「¥2010Exhibition Final at 大丸心斎橋」(大丸心斎橋店 / 大阪)
■メディア掲載情報
2023
「ExtrART」 file.37 表紙、巻頭
2022
「RollingStoneJapan」 vol.20
2020
「ExtrART」 file.25