紺野真弓|Mayumi Konno

個展「Images」

January 31〜 February 12, 2023

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

Closed Feb. 6-7

MEDEL GALLERY SHUでは1月31日より2月12日まで、英国在住のアーティスト 紺野真弓の個展「Images」を開催いたします。

紺野が描く女性は、気高く強くこちらを睨みつけているようにも見えます。美しい容貌の中でも際立って美しいその眼と眼力がこちらの思いを見透かすかのように強く迫り来て、まるで鑑賞者を突き放すかのように。しかし、それは紺野の思いとは違います。

紺野が作品で意図するのは自らが体験するジェンダーや人種への想いや願いであり、強い意志の表れであることは想像に難くありません。しかし、それだけなのでしょうか?

本展に寄せたテキストで紺野は「見えている世界は人により違う」と普遍的な命題を提示しています。

私たちは紺野の描く強い視線から、自らも本質を見定める力と意志を持った人生を繰り広げる必要性を感じとります。美しさと可憐さは普遍でもあり、表層的なものへのアンチテーゼでもあり、ピクセルをイメージさせるモダンな背景や前景は、私たちを取り巻く現代社会に数多くあるフィルター〜障害やノイズ、あるいは条件〜の暗喩かもしれません。美人画や可愛いキャラクターを描く作品は多数ありますが、端正な美人を描き、デジタル作品とも見間違う精緻なハンドペインティングは紺野の性格を著しつつも、「自立・自律」へと誘う固い意志が見て取れます。近年発表している「1」という作品とタイトルの洗練性や潔さ、普遍性が表れています。

本展タイトルの「Images」はそこからの広がりを見せるものと感じています。

人はフィルターを通したり一部だけを切り取ったりして物事を見ています。同じ場所に生きていても、見えている世界は同じではありません。

デジタルイラストで使われるレイヤー効果のような表現をアクリル画に取り入れ、人の視点を通し何重にも加工されたイメージを描いています。 

紺野真弓

紺野の2023年のスタートとなる個展です。

単なる美人画でない紛れもない意志の塊として構成する作品をお楽しみください。

野澤梓 Nozawa Azusa Profile

紺野真弓|Mayumi Konno

1987年、宮城県生まれ。
2014年より独学でアクリル画を描きはじめ、2015年から作家活動を開始する。
イラスト的な女性像を主なモチーフとして、デジタルイラストに使われるレイヤー効果のような加工の表現をアクリル画に取り入れ、人工的で多層的なイメージを描く。
近年はタイトルを「1」とする作品を制作。日々流れてくる膨大な人数の情報の中の「1」として存在する形を表現している。
国内外の展示で作品を発表するほか、装画や楽曲のアートワークなども手掛けている。

プロフィール
個展
2022 「One」アートコンプレックスセンター、東京
2021 「紺野真弓作品集 出版記念展」乙画廊、大阪
2021 「紺野真弓作品集 出版記念展」みうらじろうギャラリー、東京
2020 「Shape」アートコンプレックスセンター、東京
2019 「Layers」みうらじろうギャラリー、東京
2018 「蝶々結びを忘れて」アートコンプレックスセンター、東京
2017 「部屋の形」アートコンプレックスセンター、東京
2016 「ずっと絵の中」アートコンプレックスセンター、東京