美波

大矢一穂|Kazuho Ohya

個展「Eye to eye, so alive」

September 12 – 24, 2023

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

MEDEL GALLEY SHUでは、9月12日より24日まで大矢一穂個展「Eye to eye, so alive」を開催いたします。

“大矢一穂の作品は、物語の瞬間を捉えるべく、絵具を滑らせていく”
日常に起きる凡庸な人々の営みから聖書に住む聖人の世界まで、様々なレベルで引き起こされる出来事とその出来事に翻弄される人間の感情をカンバスにとどめています。

本展は大矢自身の「生きている実感」を描こうとした作品群で構成されています。
「生きている実感」つまりは「人間そのもの」を描こうと突き詰めた結果、自然と女性の姿になっているようです。
幼少期から、漫画や物語の中で多くの女性の生き方や歴史に触れてきた大矢は、自身のロールモデルとして「女性」という表象を強く意識して物語にのめり込んだのでしょう。そして、絵を描くようになってから、人間を描く際に「女性であること」が彼女にとって重要であると気がつきました。
昨今の情勢から、殊更性別を分けて語る必要はないと思いますが、今もなおさまざまな場面で性別というものを強く意識させられます。だからこそ、あらゆる女性の姿や形を借りて、この世界を何度でも物語っていきたいと考えているその思想が垣間見えます。

 

わたしの作品は、『女性』『油彩表現』『漫画表現』の三つが大きな軸になっています。女性は私自身が共感し、感情移入をするために、油彩表現は生きている人間の肉体を描くため、そして、漫画表現は私の意思や魂を込める技術として、絵画の中に共存しています。この三つを使って、私が、女性が、社会や物語の中で、どう生き、どう死んでいくのかということを表現すること、そしてその絵画によって、わたしの考えや意思をこの世に残すことが、私が作品を描いている理由です。

「Eye to eye, so alive」、目と目が合って、生きていると感じる。

今回の展示タイトルは、Rihannaの『Diamonds』という曲から引用しました。
「目は口ほどに物を言う」とも言いますが、今回制作した作品は瞳から描き始めた作品が多いように思います。作品の中でもっともわたしの思いを語っているのが瞳の部分だからでしょう。
毎回、瞳の表現には特に気を使いますが、瞳の表情さえ決まってしまえば、自然と良い絵になることが多いです。ぜひ彼女たちの瞳、身体、色から、私にとっての「生きている」を感じてください。

大矢一穂|Kazuho Ohya

大矢一穂|Kazuho Ohya

私の作品は、人間関係と、その社会の中で起こる物語を描いています。抽象的な作品、具象的な作品どちらを通しても、そこには常に人間の存在や物語が存在しています。その物語を、私の手で絵画として紡ぎ出すことが私の目標です。
物語を紡ぐということは、かなり人の精神的・思念的な部分に依存している行為ですが、反面、絵を描くという行為はかなり身体的なものではないでしょうか。目で見て、手を、体を大きく動かしていく中で作品は生まれていきます。絵のサイズの大きさによっては手が届かず苦労する部分もあるほどです。
このように精神・身体、両面によって紡がれる絵画の物語であるからこそ、霊的なものと肉体的なものを併せ持つ、まさに『人間の物語』として、絵画は機能するでしょう。

プロフィール
1997年 愛知県生まれ
2021年 金沢美術工芸大学 油画専攻 卒業
愛知県在住

個展
2019年 連続展示、浮遊する変体Vol.1 個展 Bite a picture(アートベース石引)
2022年 個展 円環からの逸脱(TURNER GALLERY)
      個展 エヴァの呼吸(MEDEL GALLERY SHU)

グループ展
2019年  大矢一穂・松田菜美恵二人展 おとめの排泄展 アートベース石引(金沢)
2020年  KCoA SUPPORT PROJECT 展 金沢アートグミ(金沢)
2022年 「EYES_portrait show by Emerging Artist」(MEDEL GALLERY SHU)
2022年  GINZA ART FESTA / 松屋銀座( 東京 )
2023年 「Each Style,Each Way」(NODA CONTEMPORARY)
2023年  D-art,ART /大丸東京店( 東京 )
 
受賞  
2021年 TURNER AWARD 2020 大賞