反転するネットワーク

オヤマアツキ・トモトシ・吉田コム 三人展

 キュレーション:小久保タクミ

April 11〜April 23, 2023

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

MEDEL GALLERY SHUでは、4月11日より4月23日まで小久保タクミのキュレーションによる「反転するネットワーク」―オヤマアツキ・トモトシ・吉田コム―の三人展を開催します。
この4月に5周年を迎え、全く新しい切り口での展示を考えていた中で小久保タクミとのコラボレーションが実現しました。

現代社会を⽣きる我々にとって多種多様な情報メディアは⽣活に必要不可⽋になった。政治、経済、国際情勢から明⽇の天気、知⼈の近況…とパブリックなものからプライベートなものまで把握しきれないほどあまりに多くの情報が⾝の回りに錯綜している。
⽬まぐるしく変化する社会においてそれらの情報群は様々な決定の判断材料としての機能を増⼤させ、⼈々もまた刻々と増え続ける情報を駆り⽴てられるように追い求める。
しかしそうした欲求は、時に妄想にも近い不確かな仮説をも事実だと誤謬してしまう。そして誤謬された仮説は次第に同時並⾏で存在する新たな事実として価値が付与され、波のように社会を飲み込むことで混乱をもたらす可能性を孕んでいる。

本展に参加する3⼈の作品には共通して「⼈々の相互関係が取り巻く事象」に関⼼があり、それは他者とのコミュニケーションにより形成される社会に⽣じるノイズを前景化し内省を促す⼿⽴てになるとも受け取れる。
芸術もまた想像/創造によるパラレルな可能性の提⽰であり、社会に影響をもたらすメディアである。そのため、時に既成概念を打ちこわし、また特定の思想を扇動する役割も担ってきた。

本展覧会では不安定な要素を抱えた情報が複雑化する社会の中でどのような影
響を与え、いかに向き合っていくべきかを芸術の側⾯から提⽰する。

⼩久保タクミ

 

弊廊では普段見ることのできない、しかし、弊廊に寄り添った企画となる試みをお楽しみください。

野澤梓 Nozawa Azusa Profile

オヤマアツキ| Atsuki Oyama

⽴体、平⾯、映像やゲーム、インスタレーション、他にも様々な⽅法を⽤いて作品を制作。
社会に蔓延している事柄に対して疑問を抱き、アートという⽅法論でそれらに介⼊しようと試みている。特に、⼈々の中 に⾃明の事として存在し、疑問視されることなく繰り返し⽤いられるような事柄に興味を持ち、それらを挑 発的に問題提起する作品を制作している。
また、⾃⾝の所属している時代や場所を客観視し、社会的な事象 と⾃分の距離を作品に投影することを考えている。

プロフィール

1997年神奈川県⽣まれ
2022年多摩美術⼤学⼤学院美術研究科博⼠前期課程彫刻専攻 修了

展⽰

2017 グループ展 「倉庫展」/ 多摩美術⼤学彫刻学科ギャラリー(⼋王⼦)
2017 グループ展 「私たちの平成展」 / 多摩美術⼤学芸術祭(⼋王⼦)
2018 グループ展 「彫刻学科3年有志展」多摩美術⼤学彫刻学科ギャラリー(⼋王⼦)
2018 グループ展 「新TAU 彫刻学科ギャラリー」/ 多摩美術⼤学彫刻学科ギャラリー(⼋
王⼦)
2020 グループ展 「多摩美術⼤学美術学部卒業制作・終了制作展 選抜展」/多摩美術⼤学ア
ートテーク(⼋王⼦)
2020 個展「DinginG! -let the one who has never sinned throw the first stone-」/
ギャラリイK(京橋)
2020 2 ⼈展「 王の⼆つの⾝体」 / デカメロン(新宿) 参加作家 ⼩泉明郎・オヤマアツキ
2021 個展「I take a piece of cake and God makes a mistake.」/ デカメロン(新宿)
2022 グループ展 「Zの視線 Part 3」 / ギャラリイK(京橋)
2022 グループ展 「多摩美術⼤学美術学部卒業制作・終了制作展 選抜展」 /多摩美術⼤学
アートテーク(⼋王⼦)
2022 グループ展 「令和3 年度 第45 回 東京五美術⼤学 連合卒業・修了制作展」/ 国⽴
新美術館(六本⽊)
2022 グループ展 「シンジュク眼科」/ 新宿眼科画廊(新宿) DOOF(オヤマアツキ、久保⽥
⼤樹、髙⼭勇吹)
2022 グループ展 「MMULLTIPPLE」/Marco Gallery(⼤阪)

イベント

2019 東京インディペンデント2019/東京藝術⼤学⼤学美術館陳列館(上野)
2019 ステューデントアートマラソン vol.15 / blan Class(横浜) 2019 引込線 美術教育者の
ための1⽇スクール:美術教育の現状、絶望、展望、希望について
受賞
2017 かがわ⽂化芸術祭2017 主催⾏事アートコンポ⾹川2017 ⼊選
掲載
2021 美術⼿帖2021年2⽉号「ニューカマー・アーティスト100」特集
2021 2021年1⽉22⽇ 東京新聞⼣刊 ⼩⽥原のどか評 展⽰「王の⼆つの⾝体」について

野澤梓 Nozawa Azusa Profile

トモトシ|Tomotoshi

ぼくは都市計画や建築設計に⻑年携わった経験から、「都市や建築があれば⼈間の活動が発⽣するのではなく、複数の⼈間が活動するために都市や建築はメンテナンスされるべき」という考えに⾄りました。それ以来、デザイナーとして都市をつくるのではなく、アーティストとして新しい都市の使い⽅を提案をすることを試みています。具体的には、「既存の都市空間や公共ルールに歪みを⽣むアクションを⾏い、⼈の動きが変容する瞬間を記録する」ことで制作をしています。

プロフィール

1983年⼭⼝県⽣まれ
2007年国⽴⼤学法⼈豊橋技術科学⼤学建設⼯学課程卒業

展⽰

2022「Romantic Bomb」/ TAV GALLERY
2021「ミッシング・サン(芸術競技2021)」/ 代々⽊TOH
2019「有酸素ナンパ」/ 埼⽟県⽴近代美術館
2019「あいちトリエンナーレ2019」/ 豊⽥市

受賞
「デイリーポータルZ 新⼈賞2020」優秀賞
「イメージフォーラム・フェスティバル2019」観客賞
「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」準グランプリ

野澤梓 Nozawa Azusa Profile

吉⽥コム

ありふれた街路、ありふれた⾵景、慣れ親しんだ⼈間の配置が私たちの歩⾏を現実にするのだろうか。何かの制度や仕組み、都市の構造、あるいは展覧会場の中に少しの仕掛け施し、現実を密やかに脱⾅させるような振る舞いへと鑑賞者を誘い込む装置として作品を制作している。

プロフィール
2000年⽣まれ
2022年京都芸術⼤学美術⼯芸学科卒業

展⽰
2023「京都トリエンナーレ2023」/ 京都芸術⼤学
2022 個展「House Aʼ」/ Alternative Space yuge
2022 KUA ANNUAL2022 「in Cm|ゴースト,迷宮,そして多元宇宙」/ 東京都美術館
2022「2021年度 京都芸術⼤学卒業展 」/ 京都芸術⼤学
2021 KUA ANNUAL2022 プレビュー展「in Cm|ゴースト,迷宮,そして多元宇宙」/ Galerie
Aube
2021「「歴史の終わり」と」/ Galerie Aube
2021「MUTANT(S) on POST PHOTOGRAPHY」/ Galerie Aube
2021「京都芸術⼤学総合造形コース3年進級展」/ ギャラリーマロニエ
2020「展覧会3.0 テレイグジスタンスと窓の外」/ Galerie Aube
2020「展覧会3.0 辺獄への遡⾏」/ Galerie Aube
2019「左京区五⽉⾰命」/ 京都⼤学 吉⽥寮

野澤梓 Nozawa Azusa Profile

小久保タクミ|Takumi Kokubo

宗教、オカルトなど特殊な環境下に起こる象徴性や権威の構造を手がかりに、日常の事象を取り巻く環境やルールと事象そのものを再構成することで存在と知覚との関係を問う試みをテーマに制作を行なっている。

プロフィール

1997年 埼玉県生まれ
2020年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学

主な展示

2021年 個展「眩惑されたまなざし」(東京)
グループ展(企画構成)「Navigated Locomotion」(東京)

受賞歴

2018年 「世界絵画大賞展」入選
2020年 「FACE2020」入選
2021年 「WATOWA ART AWRED」10位入選
「長亭GALLERY展」入選2022年 令和四年度安宅賞受賞