美波

巽千沙都|Chisato Tatsumi

個展「一番なんてあたりまえじゃん」

August 15〜27, 2023

11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)

MEDEL GALLERY SHUでは、8月15日(火)より8月27日(日)まで、巽千沙都の個展「一番なんてあたりまえじゃん」を開催いたします。

巽千沙都は、2010年に大阪デザイナー専門学校イラストレーション科を卒業後、瞬く間に頭角を表し、現在に至るまで人気が高まり続ける美術家です。
その作品は、”かわいいを自由奔放に描きたい!”という素直な気持ちと、”かわいい”の刹那やその後の成り行き(人生!)を内包する示唆に富んでいます。そのため、絵画の可愛さのみならず、コンセプトに共感する方が多いのもうなずけます。

本展は、巽の素直な気持ち−”かわいいを自由奔放に描きたい!−が根底にありつつも、”かわいい”や女性性を消費される社会的概況を、例えば地下アイドルとファンの関係性になぞらえているかのようです。
地下アイドルの一瞬の輝きや尊さに関心を寄せ、推せるときに推しておけ的な意識や環境を肯定的に捉え、誰にもある刹那と条理について正面からぶつかるように、満面の笑みの少女たちの作品がそう連想させます。そして、その中には少女のみならず、嵐が吹き荒れるようなキャンディやフルーツ、花びらやアクセアリーなど”かわいい”を象徴する”魔法陣”が形成されています。しかし、一方で、割れたキャンディなどは少女から大人になる”意識の老成や死”をも意味しています。また、女性性の消費をシニカルに、批判的に捉えた作品も散見されます。

”少女のかわいさ”に若さへの憧憬や尊厳を持ちつつも、自らの成長に伴う揺らぎと覚悟をキャンバスに封じ込め、そこに共感する鑑賞者への応援讃歌としている巽の作品は、掛け値なしに”楽しい”作品に仕上がっており、元気付けられること間違いなしです。
現代美術家の藤原千晶さんによるフェイクアイスクリームのインスタレーションも見逃せません。

夏真っ盛りの中、爽やかな笑顔の少女たちが待つ空間をどうぞご堪能ください。

巽千沙都|Chisato Tatsumi

私にとって「かわいい」は特別で神聖なもので、常にその時に感じた「かわいい」を制作しています。
カラフルな色を使って、たくさんのお菓子やアイテムで少女を囲む事が好きです。
それはかわいい最強の防御壁であり自分を強くする意味での魔法陣でもあります。
私にとって少女という限られた期間が何よりとても尊く感じています。
少女である期間はある意味無敵であり、若い限られた時間を一生懸命輝くその一瞬と、
いつか少女でなくなり、大人になる「死」や「老い」という意味で割れたキャンディや暗い色で塗りつぶしています。
カワイイは一瞬だからこそ少女から目を離さず大切に描いきたいと思います。

プロフィール
1990年 三重県出身
個展
2023年 個展(mottoart/ 上海)
2022年 個展「一生私主義」(乙画廊/ 大阪)
2021年 個展「戦っていなくちゃ」(みうらじろうギャラリー/ 東京)
2019年 個展「君を助けに来たよ」(みうらじろうギャラリーbis/ 東京)
2018年 個展「sugar pink」(乙画廊/ 大阪)
2017年 個展「プリズム症候群2」(Artcomplex Center/ 東京)
2017年 個展「プリズム症候群」(乙画廊/ 大阪)
2016年 個展「絶対糖度」(Artcomplex Center/ 東京)

グループ展・アートフェア
2022年 ART TAIPEI(mottoart)
2022年 グループ展「アイドライゼーション・ポイント」(横浜市民ギャラリーあざみ野/ 東京)
2019年 グループ展「チョコポニ」(ニジイロポニック/ 大阪)
2018年 グループ展「キャワイイフレーバー」(乙画廊/ 大阪)
2018年 グループ展「アイスクリームドリーマー」(Artcomplex Center/ 東京)