
Hitoshi Okabe 岡部飛登志|Ryo Kuwamiya 桑宮亮|Suma
グループ展「GARDEN」
February 28 – March 12, 2023
11:00am~7:00pm(Last day ~5:00pm)
MEDEL GALLERY SHUでは、2月28日から3月12日まで3人のエマージングアーティストによる企画展『Garden』を開催いたします。
本展は岡部自らが展示機会を得ようと丙廊に持ち込んだ企画であり、その情熱と内容に共感して開催に至る三人展です。
『Garden』から連想されるようにそれぞれが咲き誇りながら、一つの庭のように形作られた作品構成ですが、協調性よりは独自性を荒々しく訴求する—個性溢れる植え込みのように—ミニ個展の様相が強い空間となります。
もちろん、彼ら自身が語るように”それぞれの心の中の空間、また、他の誰かとも共有できる何かが存在する風抜けの良い空間というメタファーとしての役割、意義”が存在する展示構成となっています。
現代の忙しないライフスタイルの中では、皆それぞれ自身が心の底から大事にしたいと思えるものは何かということを、心では抱きつつも自然とないがしろにしてしまっている、そんな事にふと気づく瞬間があります。
私達の提示するGARDENという語には、それぞれの心の中の空間、また、他の誰かとも共有できる何かが存在する風抜けの良い空間というメタファーとしての役割、意義を含んでいます。
その空間ひとつひとつには、それぞれが『それがあるから生きられる何か』と思えるものが必ずあるはずです。共に過ごす家族や、部屋で育てている美しい花など、それは形を問いません。
私達はここに、私達のGARDENを絵画作品に表して、鑑賞者の皆様にあなた自身のGARDENには何が広がっているか?を改めて思い起こして頂ける機会が芽生える事を切に願います。
そして、作家と鑑賞者の皆様との間で、心の中における、遊泳にも似たコミュニケーションが取れた時に、私達の今回の試みは実を結ぶと思います。
岡部飛登志|桑宮亮|Suma
それぞれが人気アーティストとして評価が高まる中で開催する三人展です。
どのような化学反応がおき、お客様の心に何が去来するのか、大変楽しみな展示です。
是非ご来廊ください。
お待ち申し上げております。

岡部 飛登志|Hitoshi Okabe
対面のコミュニケーションが減りつつある現代では、感情や頭の中では可視化できていることを話し言葉にして発信することが億劫になっていたり、そもそも的確な言葉が見つからず、外側に吐き出せない思いがいくつも心の中で滞留してしまうことがあると感じています。
私はそこに着目し、主に人間が言葉にして表しがたい感情や想いといった類のものを、言葉ではなく人間の表情をモチーフにした絵画作品に仮託して表現したり、また植物や動物といった普遍的なモチーフに、人間的な感情や心の変動を投影して表現しています。
プロフィール
1995年 埼玉県生まれ
2014年 埼玉県立川越高等学校 卒業
2016年 慶應義塾大学 法学部政治学科 中途退学
展示経歴
2023年 3人展 「Garden」 MEDEL GALLERY SHU
2021年 個展 「PORTRAITS」Nakameguro Lounge
2021年 個展 「mosaic」gallery cream
2020年 4人展 「symbiosis」 CLASS gallery
2019年 3人展 「as usual¿」 upstairs gallery

桑宮 亮|Ryo Kuwamiya
「世界の美しさを描く」というコンセプトのもと絵画作品を制作しています。モチーフはいずれも自然物がもつ光と色に焦点を当てています。オパールが見せる虹色の色彩や花草のパターン、空や金属の多種多様なグラデーション、星空や海の煌めきなどを用いつつ、それらを幾何学的形状と共にバイオリズムのメタファーとして織り交ぜながら表現しています。
そのように構成されたモチーフが、絵具として物質感を伴いながら多層的に見せる表情を通して、身の周りにある光と色彩の存在とそれを知覚することの尊さを作品によって喚起したいと考えています。
プロフィール
1995年 長崎県生まれ
2018年 宮崎大学教育学部初等教育コース卒業
2021年 東京藝術大学 大学院美術教育研究室 修了
入選・受賞歴等
2019年 東京藝術大学安宅賞
2018年 世界絵画大賞展 協賛社賞(東京都美術館)2017年 第43回宮崎県展 特選(宮崎県立美術館)
個展・グループ展
2023年 桑宮亮・岡部飛登志・suma 3人展「Garden」(MEDEL GALLERY SHU)
2022年 「GEISAI #21」(東京ビッグサイト)2022年 個展「PRAY OF COLOR」(新宿眼科画廊)
2021年「東京藝術大学 卒業・修了作品展」(東京芸術大学美術館)
2021年 個展「HIKARI」(新宿眼科画廊)2018年 第5回未来展(日動画廊)
クライアントワーク
2020年 「KOHH LIVE IN CONCERT」フライヤー原画提供
2019年 「KOHH “untitled” tour」フライヤー原画提供

Suma
sumaの作品は、いくつものイメージと情報がレイヤーとして複雑に重なりながら構成されている。薄く削ったベニヤ板の上にシルクスクリーンで新聞やチラシを印刷し、その上にポップな動物のモチーフを描いていく遊び心たっぷりの作風は、絵を描くことが大好きだっという幼少期、祖母とともに新聞にクレヨンでお絵描き遊びをしていた記憶とつながっているという。
新聞やチラシというものは、分かりやすい日常のメタファーだ。地域の小さな出来事から社会の重大事件まで、日々の有象無象の情報が印刷されているいわば人間が生きる痕跡だ。にもかかわらず、何気ない日常が往々にしてそうであるように、とくに大切にされる
こともなく日々消費されていく。じっくり読まれることさえないまま。
ポップにデフォルメされた動物や文字の表現は、海外アニメーションやグラフィティーなどsuma自身が親しんできたものとリンクしているという。強いメッセージを大々的に謳うより、身近にあるものや世の中の流れを切り取って、大衆にとって親しみやすいものとして提示することで何かを感じ取ってもらいたいという姿勢の表れだ。新聞やチラシの内容と描かれている動物には、よくよく見るとつながるところがあり、社会に対する皮肉やメッセージが仕込まれている。しかし、sumaは作品をよく見て考察することを強要しない。何気なく作品を見たときの「ポップで可愛い動物の絵」という印象もまた作品の持っている要素であり、無意識に人々が共有している動物の姿として真実であるからだ。彼が大切にしているチャップリンの言葉に「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」という一節がある。動物や人間の本質も同じで、遠くから見れば可愛く楽しく素敵に見えるが、近づいてみるとグロテスクな一面が見えてくる。近くで見るか遠くで見るかは、鑑賞者自身に委ねられている。(執筆:沓名美和)
プロフィール
1998 北海道札幌市生まれ
2021 沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術科絵画専攻油画コース 卒業
2023 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修士 在籍
2022 suma Exhibition”Stand By Me”(Contemporary Tokyo)
2022 suma Exhibition”TITLE ROLE”(RISE GALLERY)
2022 二次元派展 (代官山ヒルサイドフォーラム)
2022 KUMA EXHIBITION2022 (ANB Tokyo)
2022 BEYOND 〈JAPAN MODERN ART EXHIBITION〉(333gallery)
2021 「SHIBUYA STYLE vol.15」(西武渋谷店)