en(body/force)ment 亜鶴|AZU October 5 - October 14 11:00 am 〜 7:00 pm

帝国ホテルプラザアートセレクション

en(body/force)ment

亜鶴|AZU

October 5 – 14, 2020

11:00am – 7:00pm(Last day ~5:00pm)

 

私はSNSを通じて現れる画面として人間の顔を描いてきました。
今回のen(body/force)mentは昨今のSNSにおける身体性の欠如と力の空白化に影響を受けています。私の活動を縦断するのは、そのような情報社会における人類の引き裂かれです。
そしてまた私は10年にわたり刺青表現の調査と、絵画行為の追求を続けてきました。
描き、描かれるという営みを通じて私の絵画は力を持ち、私の身体は表現の現れる場になってきました。
タトゥーは古今東西を通じて人類が行ってきた表現行為であるとともに、単なる技術に過ぎません。そして、絵画もまた、技術と表現のための一つの平面に過ぎないでしょう。
SNS、タトゥー、絵画、これらに共通する「現れる」ことと「力を持つ」こと、そしてそれが交互に繰り返される「歴史」について、塗り重ねられた画面が意味を持つように、思考を巡らせていただければと思います。

高木優希 プロフィール画像

亜鶴|AZU

アーティスト・画家

実在しない人の、強烈な異彩を放つポートレイトを描く作家。

タトゥーアーティストとしても活動する亜鶴は「皮膚」を再提示することで「個人」を承認している。逆説的に「個人」を問う事は「身体/皮膚」を考える事であり、個人の存在には常に身体が付帯する。そして身体とは表情であり、また表情とは皮膚であると定義づける。

皮膚という境界面が自身と世界を断絶する一方、皮膚があるからこそ表情を持ち他者と接続可能であるとし、このアンビバレンスの中でさえ、時に自意識は厚き皮膚を介し表出、顕在化し、内在した身体意識を拡張させようとする。

 

そうした拡張への欲望を「満たされない身体性」と表現し、キャンバス上では不特定の個人の”顔”のパターンを走り描きのブラシストローク、チューブから直接絞られた絵具、吹きつけられたスプレー、砕けたパステルのライン、それら各種マテリアルが流動し滴る痕跡により背景部に向かって溶解させ次第に見えなくなる形として構成する。

それは、集合という関係性の束の中で明確には線引きをする事が出来ない「身体の不定形の輪郭」を捉える為である。

同時に、ハンドポークという最古来の刺青技法を用い皮膚内/外に針を行き来させ、タトゥーアーティストとしても彫る。

 

私の制作行為は、皮膚を通して発せられている声なき声を聞き、「満たされない身体性」を汲み上げようとする事と等しい。

一層確固たる自己の存在を獲得しようと揺らぎ、足掻く「個人/身体/皮膚」を私は承認したい。だからこそ私は個人の眼差しと集合の眼差しが相対する〈Face to Face〉を望み、”顔”を描き続けている。

プロフィール

1991 兵庫県生まれ

Education:

2012 大阪美術専門学校絵画専攻卒業

Artfair:

2015 アートサンディエゴ